この章では、Communications Services の配備例を紹介します。配備に実装する機能に応じて、異なるホストのセットおよびその他のネットワークインフラストラクチャーをインストールする必要があります。
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単一ホスト配備から多層配備に至るまで、さまざまなアーキテクチャーの中から選択する場合には、常に多層にわたるサービス定義を念頭において計画することをお勧めします。したがって、単一ホスト配備であっても、論理サービス名を使ってインストールしてください。論理サービス名を使用すると、配備を拡張しやすくなります。詳細については、「論理サービス名の使用」を参照してください。
名前からもおわかりのように、この例では、コンポーネントを単一サーバー上にインストールおよび設定します。ご購入先のクライアントサービス担当者に相談しながら、最適なサーバータイプやシステム構成を決定してください。
一般に、単一層単一ホストアーキテクチャーは、次のような企業に最適です。
ユーザー数が 1,000 人未満の場合
地理的に分散していない場合
少数の管理者によって管理される場合
エントリレベルの構成が必要な場合
単一ホスト構成に関するトレードオフを次に示します。
インフラストラクチャーとしての可用性は低く、サービスの信頼性が低い (ただし、サーバー自身が自動システム再構成を提供する場合を除く)
サービス拒否攻撃を防止できない
図 28–1 に、単一ホスト配備の例を示します。次の Communications Services コンポーネントが同一ホスト上にインストールされます。
Messaging Server (MTA、メッセージストア、および Messenger Express)
Calendar Server (管理サービス、HTTP サービス、およびバックアップサービス)
Communications Express
Web サーバー
この例では、ディレクトリサービスは、Communications Services とは異なるホスト上に存在しています。Directory Server と Access Manager は、それ自体が複雑な配備です。この図では、これらのコンポーネントが「雲形模様」で示されています。
下表は、この配備で使用するプロトコルとポート番号について説明します。
表 28–1 単一層配備の例で使用するプロトコルとポート
プロトコル |
ポート |
用途 |
---|---|---|
SMTP |
25 |
他のシステムと通信する Messaging Server MTA コンポーネント、および電子メール通知を送信する Calendar Server (csenpd) コンポーネント |
HTTP |
80 | |
HTTP |
81 |
Calendar Server (cshttpd) と通信するクライアント |
IMAP |
143 |
Messaging Server imapd コンポーネントと通信するクライアント |
LDAP |
389 |
LDAP ディレクトリと通信する Messaging Server と Calendar Server |
この配備の将来的な拡張性を高めるには、論理サービス名を使ってインストールします。論理サービス名を使用すると、配備を拡張しやすくなります。詳細については、「論理サービス名の使用」を参照してください。容量、パフォーマンス、サイトの地理的な分散、および可用性に関する問題が発生した場合は、2 層アーキテクチャーへの拡張を検討します。
図 28–2 は、Messaging Server と Calendar Server の 2 層論理配備の例を示します。第 0 層はロードバランサで構成されます。第 1 層は Calendar Server と Messaging Server のフロントエンドで構成されます。Calendar Server と Messaging Server のバックエンドストアが第 2 層を形成します。
Directory Server と Access Manager は、それ自体が複雑な配備です。この図では、これらのコンポーネントが「雲形模様」で示されています。
上図の例では、ロードバランサが第 0 層を形成し、フロントエンドサービスへのアクセスをユーザーに指示します。
フロントエンドサービスは 4 台のマシンで構成されます。2 台のマシンに Calendar Server フロントエンドコンポーネントがインストールされます。これらの Calendar Server フロントエンドマシンは、1 台または 2 台の CPU サーバーと固有の内部ディスクストレージで構成されます。ほかの 2 台のマシンは Messaging Server プロキシと MTA として設定され、外部ディスクアレイを共有します。これらの Messaging Server マシンは 4 台の CPU サーバーで構成されます。
バックエンドも 4 台のマシンで構成されます。2 台のマシンは、メールストアとして機能し、Messaging Server プロセスを実行します。ほかの 2 台のマシンは、カレンダーストアとして機能し、Calendar Server プロセスを実行します。ストアマシンは SAN (Storage Area Network) に接続されます。これらのバックエンドマシンは、CPU のニーズに基づいてさまざまな方法で配備できます。CPU の合計数がいったん決定すると、垂直および水平方向の構成を選択できます。たとえば、アーキテクチャーが合計 12 個の CPU を必要とする場合、3 台の 4 方向サーバー、2 台の 6 方向サーバー、または 1 台の 12 方向サーバーを使用することができます。
もう一つのマシンは、Calendar Server 通知と Messaging Server 電子メールの両方の SMTPリレーとして機能します。
下表は、この配備で使用するプロトコルとポート番号について説明します。
表 28–2 2 層配備の例で使用するプロトコルとポート
プロトコル |
ポート |
用途 |
---|---|---|
HTTP |
80 | |
SMTP |
25 |
Messaging Server MTA コンポーネント、フロンエンドおよびバックエンドの MTA コンポーネント、および電子メール通知用 Calendar Server (csenpd) コンポーネントと通信するクライアント |
IMAP |
143 |
Messaging Server MMP と imapd コンポーネントと通信するクライアント |
225 |
バックエンド MTA を迂回して、フロントエンドからバックエンドの Message Store に電子メールをルーティングする MTA |
|
LDAP |
389 |
LDAP ディレクトリと通信するフロントエンドとバックエンド |
HTTP |
8081 |
カレンダフロントエンド (cshttpd) と通信するクライアント |
9779 |
カレンダバックエンド (csdwpd) と通信するカレンダフロントエンド (cshttpd) |