システムパフォーマンスのニーズを確認した後、Instant Messaging 配備のサイズ決定では次に、アーキテクチャーの決定に基づいて特定のコンポーネントのサイズを決定します。
この節の各トピックでは、2 層と 1 層のアーキテクチャーを配備する場合のサイズ決定で考慮しなければならないことについて説明します。Instant Messaging と共にロードバランサを使用する方法についても説明します。
2 層アーキテクチャーでは、Instant Messaging サーバー配備をアクセス層とデータ層の 2 層に分割します。単純な 2 層配備では、アクセス層に 1 つまたは複数のマルチプレクサとサーバーを追加します。ユーザーにとってマルチプレクサはプロキシのように機能し、メッセージを Instant Messaging サーバーにリレーします。データ層には、Instant Messaging サーバーデータベースとディレクトリサーバーが保持されます。図 22–1 は、簡略化した 2 層 Instant Messaging アーキテクチャーを示しています。
1 層アーキテクチャーと比較して、2 層アーキテクチャーにはサイズ設定上の利点があります。2 層アーキテクチャーの特徴は、次のとおりです。
1 層アーキテクチャーよりも管理が容易です
SSL やメッセージの再処理など、負荷の高いプロセスをオフロードできます
サイズの拡張が容易で、短いダウン時間でシステムをアップグレードできます
マルチプレクサのサイズを設定する場合、システムの負荷、特にマルチプレクサが処理する同時接続の数に基づいて計算を行います。
さらに、次のことを実行する必要があります。
必要であれば、SSL 用の CPU またはハードウェアアクセラレータを追加します。
マルチプレクサを設定するマシンにメモリーを追加します。
配備に冗長性を持たせる場合、それぞれのマシンがスループットや応答時間を大きく損なわずにピーク負荷を処理できるようにする必要があります。
1 層アーキテクチャーは、アクセス層とデータ層に分割されません。Instant Messaging サーバー、マルチプレクサ、場合によってはディレクトリサーバーが 1 つの層にインストールされます。次の図は、この概念を示したものです。
2 層アーキテクチャーと比較して、1 層アーキテクチャーはハードウェアへの初期投資が少なくて済みます。しかし、1 層アーキテクチャーを選択した場合は、保守のためにかなりの停止時間を見込んでおく必要があります。
1 層アーキテクチャーのサイズを設定するには、次の事項を考慮する必要があります。
1 層アーキテクチャーおよび 2 層アーキテクチャーにおける Instant Messaging コンポーネントのサイズ決定に関する特別な手順については、ご購入先のクライアントサービス担当者に連絡してください。
Instant Messaging は、Instant Messaging マルチプレクサの前に配置されているロードバランサの使用をサポートしています。ただし、現在のところ、Instant Messaging マルチプレクサと Instant Messaging サーバーの間ではロードバランサを使用できません。
Instant Messaging を Portal Server/Secure Remote Access 配備の一部として配備する場合、Secure Remote Access ゲートウェイと Instant Messaging マルチプレクサの間にロードバランサを配置できます。
クライアント接続にセキュリティーが必要で、HTTP トンネリングには不要である場合、Secure Remote Access の代わりに SSL の使用を検討します。SSL をマルチプレクサで使用可能にして、ファイアウォールの外側に配置することにより、セキュリティー保護された Instant Messaging クライアント接続を構成できます。