Sun Java System Calendar Server 6 2005Q4 管理ガイド

第 18 章 削除ログデータベースの管理

Calendar Server には、削除された予定や仕事 (作業) を格納するための削除ログデータベース (ics50deletelog.db) が用意されています。

初期のリリースでは、Calendar Server は削除された予定や作業をデータベースに維持していませんでした。どのコンポーネントが削除されたのかを特定するには、ユーザーは予定または仕事 (作業) の一意の識別子 (uid) または定期予定 ID (rid) を必ず保存しなければなりません。この制限は、WCAP コマンドを使用してクライアントユーザーインタフェース (UI) を作成するインストールに直接影響しました。この制限を解決するため、削除ログデータベースが作成されました。

この章で説明する内容は次のとおりです。

削除ログデータベースの作成

Calendar Server は、その他の Calendar Server データベースファイルと同様に削除ログデータベース (ics50deletelog.db) を csdb ディレクトリ内に自動的に作成します。Calendar Server は、予定と仕事を次のように削除ログデータベースに書き込みます。

削除ログデータベースの照会

削除ログデータベースからエントリを返すには、展開モードまたは圧縮モードの fetch_deletedcomponents WCAP コマンドを使用します。

WCAP コマンドについては、『Sun Java System Calendar Server 6 2005Q4 Developer’s Guide』を参照してください。

削除ログデータベースの破棄

Calendar Server は、「削除ログデータベースの自動破棄」「削除ログデータベースの手動破棄」の両方をサポートしています。

削除ログデータベースの自動破棄

削除ログデータベースのエントリを Calendar Server に自動破棄させることができます。

次の表は、自動破棄を制御する ics.conf ファイルのパラメータを示しています。

表 18–1 削除ログデータベースの自動破棄に適用される設定パラメータ

パラメータ 

説明 

service.admin.purge.deletelog

削除ログデータベース (ics50deletelog.db) エントリの自動破棄を有効化 (yes) または無効化 (no) します。

デフォルトは "no" です。

caldb.berkeleydb.purge.deletelog.interval

削除ログデータベース (ics50deletelog.db) のエントリを自動的に破棄する間隔を秒単位で指定します。

デフォルトは 60 秒です。

caldb.berkeleydb.purge.deletelog.beforetime

削除ログデータベース (ics50deletelog.db) から自動的に破棄するエントリの存続時間を秒単位で指定します。

デフォルトは 86400 秒 (1 日) です。

たとえば、5 分 (600 秒) おきに、2 日 (172800 秒) を経過した削除ログデータベースのエントリを Calendar Server に自動破棄させるには、「削除ログデータベースの自動破棄」のパラメータを次のように設定します。

service.admin.purge.deletelog="yes"
 caldb.berkeleydb.purge.deletelog.interval=600
 caldb.berkeleydb.purge.deletelog.beforetime=172800

パラメータの設定が完了したら、新しい値が適用されるように Calendar Server を再起動します。

削除ログデータベースの手動破棄

削除ログデータベース (ics50deletelog.db) のエントリを手動で破棄するには、cspurge ユーティリティーを使用します。

cspurge -e endtime -s starttime

endtimestarttime は、対象範囲の開始と終了を世界標準時形式 (GMT または UTC とも呼ばれる) で指定します。

cspurge を実行するには、Calendar Server を稼動しているユーザーとグループ (デフォルトでは icsusericsgroup)、またはスーパーユーザー (root) としてログインする必要があります。

たとえば、2003 年 7 月 1 日から 2003 年 7 月 31 日までのエントリを破棄するには、次のように実行します。

cspurge -e 20030731T235959Z -s 20030701T120000Z

詳細は、「cspurge」を参照してください。

削除ログデータベース用の Calendar Server ユーティリティーの使用

次の表は、削除ログデータベース (ics50deletelog.db) をサポートする Calendar Server ユーティリティーを示しています。

表 18–2 削除ログデータベースをサポートするユーティリティー

ユーティリティー 

説明 

cspurge 

削除ログデータベースのエントリを手動で破棄します。 

csbackup と csrestore 

削除ログデータベースのバックアップと復元をサポートします。 

csstats 

削除ログデータベースの統計情報をレポートします。 

csdb 

削除ログデータベースのチェック、復元、再構築をサポートします。 

cscomponents 

削除ログデータベースのエントリの数をリスト表示します (読み取り専用情報)。 

これらのユーティリティーの構文など、詳細は 付録 D 「Calendar Server のコマンド行ユーティリティーのリファレンス」 を参照してください。