マスター/スレーブ LDAP 構成には、マスター (ルート) ディレクトリサーバーと、1 つ以上のスレーブ (コンシューマまたはレプリカ) ディレクトリサーバーが含まれます。Calendar Server は、マスター LDAP ディレクトリサーバーに直接アクセスすることも、スレーブディレクトリサーバー経由でアクセスすることもできます。
Calendar Server がマスター LDAP ディレクトリサーバーに直接アクセスしていれば、LDAP は正確であり、LDAP データキャッシュを設定する必要はありません。
Calendar Server がスレーブディレクトリサーバー経由でマスター LDAP ディレクトリサーバーにアクセスしている場合は、LDAP データの変更は通常、LDAP リフェラルを使用して透過的にマスターディレクトリサーバーに書き込まれます。次に、LDAP リフェラルは、データをレプリケーションにより各スレーブディレクトリサーバーに戻します。
この 2 番目のタイプの構成では、コミットされた LDAP データがスレーブディレクトリサーバーで利用可能になるまでに遅延が発生するため、LDAP データが不正確になるという問題が発生する場合があります。
たとえば、Calendar Server が LDAP データの変更をコミットしても、マスターディレクトリサーバーが各スレーブディレクトリサーバーの更新を完了するまでの遅延のために、一定の時間は新しいデータが利用できません。以降の Calendar Server クライアント操作で古い LDAP データが使用されると、期限切れの内容が表示されます。
スレーブディレクトリサーバーを更新する際の遅延が短時間 (ほんの数秒) であれば、クライアントで問題が発生しないこともあります。しかし、遅延がそれ以上 (数分または数時間) になると、遅延の長さに応じてクライアントには不正確な LDAP データが表示されます。
次の表は、このような遅延によって影響を受ける操作と LDAP 属性を示しています。
操作 |
LDAP 属性 |
---|---|
自動プロビジョニング |
icsCalendar、icsSubscribed、 icsCalendarOwned、icsDWPHost |
カレンダグループ |
icsSet |
カレンダの作成 |
icsCalendarOwned、icsSubscribed |
カレンダの登録 |
icsSubscribed |
ユーザーオプション |
icsExtendedUserPrefs、icsFirstDay、 icsTimeZone、icsFreeBusy |
カレンダの検索 |
icsCalendarOwned |