Directory Server では、ディレクトリデータをレプリケートすることで、配備内のサーバーの可用性を高め、サーバー間の負荷分散を行えるようになっています。Directory Server では、複数の読み書き (マスター) レプリカを一緒に配備できます。
サーバーはこれを可能にするために、内部的にディレクトリデータへの変更を追跡します。同じデータが複数の読み書きレプリカ上で変更されても、Directory Server はその変更をすべてのレプリカ上で解決できます。これらの変更を追跡するためのデータは、レプリケーション時に必要とされなくなるまで、保持しておく必要があります。変更は、「パージ遅延」によって指定された期間だけ保持されます。デフォルト値は 7 日間です。ディレクトリデータに多数の変更が加えられると、このデータは非常に大きくなる可能性があります。大きな複数値属性に変更が加えられる場合は特にそうです。
データの増大するレベルはさまざまな要素によって決まるので、データの増大量を求めるための決定的な公式はありません。最善のアプローチ方法は、通常の変更をテストして増大量を測定してみることです。エントリの変更によるデータの増大に影響する要素には、次のようなものがあります。
変更対象のエントリのタイプと属性のタイプ。
複数値属性だとデータの増大量が大きくなります。属性値が小さい場合は、増大量が見えやすくなります。
エントリに適用される作業負荷。
エントリの追加や削除を行うと、データの増大量が大きくなります。属性値を追加すると、属性値を置き換えた場合よりもデータの増大量が大きくなります。
変更対象のエントリ数と、各エントリ内の変更対象の属性の数。
データベースページのサイズ。
非常に多くの変更を行なった場合、特定のエントリがデータベースページサイズよりも大きくなる可能性があります。
パージ遅延の期間が過ぎて、エントリがもう一度変更されるまで、レプリケーションのメタデータはエントリ内に保持されたままになっています。
Directory Server のレプリケーションの詳細については、『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 Reference』の第 4 章「Directory Server Replication」を参照してください。