仮想サーバーは、複数のインターネットドメイン名を同一の物理サーバーでホスティングするためのオブジェクトで、仮想ホストとも呼ばれます。同一物理サーバーにホスティングされるすべての仮想サーバーは、その物理サーバーの IP (Internet Protocol) アドレスを共有します。仮想サーバーは、サーバーのドメイン名 (www.aaa.com など) と、Communications Server が稼動するサーバーを関連付けます。
インターネットドメインと Communications Server の管理ドメインを混同しないでください。
たとえば、ある物理サーバーで次のドメインをホスティングすると仮定します。
www.aaa.com www.bbb.com www.ccc.com
また、www.aaa.com、www.bbb.com、www.ccc.com には、それぞれに関連付けられた Web モジュール web1、web2、web3 があるものとします。
つまり、その物理サーバーでは、次のすべての URL が処理されます。
http://www.aaa.com:8080/web1 http://www.bbb.com:8080/web2 http://www.ccc.com:8080/web3
最初の URL は仮想ホスト www.aaa.com、2 番目の URL は仮想ホスト www.bbb.com、3 番目の URL は仮想ホスト www.ccc.com にそれぞれマッピングされます。
一方、www.bbb.com には web3 が登録されていないため、次の URL は 404 リターンコードのエラーとなります。
http://www.bbb.com:8080/web3
このマッピングが機能するには、www.aaa.com、www.bbb.com、www.ccc.com のすべてを物理サーバーの IP アドレスとして解決する必要があります。これをネットワークの DNS サーバーに登録しなければなりません。さらに、UNIX システムでは、これらのドメインを /etc/hosts ファイルに追加します (/etc/nsswitch.conf ファイルの hosts の設定に files が含まれる場合)。
Communications Server を起動すると、次の 2 つの仮想サーバーが自動的に起動されます。
server: ユーザー定義のすべての Web モジュールをホスティングする仮想サーバー
__asadmin: すべての管理関連 Web モジュール (具体的には管理コンソール) をホスティングする仮想サーバー。このサーバーの使用は制限されています。つまり、ユーザーがこの仮想サーバーに Web モジュールを配備することはできません。
本稼動環境以外での Web サービスの開発、テスト、配備で必要となる仮想サーバーは、通常、server だけです。ただし本稼動環境では、同一物理サーバー上でユーザーと顧客のそれぞれが専用の Web サーバーを持つように見せる機能をホスティングするため、通常は追加の仮想サーバーも使用されます。