この節では、2 つの Communications Server インスタンスを含むクラスタの作成方法と、融合ロードバランサの使用方法を説明します。融合ロードバランサは、Communications Server のインストール後すぐに利用できます。この節では、クラスタ化を有効にして Communications Server をインストールしていることを想定しています。
ここで示す手順では、DAS が稼動しているのと同じホスト上にサンプルのクラスタを作成します。
ノードエージェントが起動済みであると想定します。クラスタの作成時にインスタンスを指定する場合は、インスタンスを実行するマシンで、実行しているノードエージェントと指定するインスタンスを関連付けます。ノードエージェントが実行されていない場合、インスタンスは起動しません。ノードエージェントとインスタンスの名前は、1 つのドメインで作成されるクラスタ間で一意のものとする必要があります。
http:// hostname:portnumber にアクセスして、管理コンソールにログインします。
hostname は、ドメイン管理サーバーを実行しているシステム名で置き換えてください。portnumber は、クラスタドメイン domain1 のポート番号で置き換えます。
左側の区画で、「クラスタ」タブをクリックします。
Communications Server のインストールで、default-cluster という名前のデフォルトクラスタが作成されます。このクラスタは、デフォルトの融合ロードバランサ cluster-lb に関連付けられます。default-cluster をクリックします。このクラスタの「一般情報」が表示されます。
右側の区画の「一般」タブで、「ハートビートを有効」チェックボックスが選択されていることを確認します。融合ロードバランサを使用するには、GMS サービスを実行している必要があります。
右側の区画で、「インスタンス」タブをクリックします。「新規」ボタンをクリックして、クラスタ用の 2 つのインスタンスを指定する 2 つのエントリを作成します。
instance1 と入力します。「ノードエージェント」フィールドでは、デフォルトで nodeagent1 が選択されています。
instance2 と入力します。「ノードエージェント」フィールドでは、デフォルトで nodeagent1 が選択されています。「保存」をクリックします。
手順 4 ~ 6 の代わりに、次の asadmin コマンドを使用することもできます。
asadmin create-instance --user admin --passwordfile adminpassword.txt --host hostname -port 4848 --cluster default-cluster --nodeagent nodeagent1 --systemproperties "JMX_SYSTEM_CONNECTOR_PORT=8687:IIOP_LISTENER_PORT=3330:IIOP_SSL_LISTENER_PORT=4440:IIOP_SSL_ MUTUALAUTH_PORT=5550:HTTP_LISTENER_PORT=1110:HTTP_SSL_LISTENER_PORT=2220" instance1
asadmin create-instance --user admin --passwordfile adminpassword.txt --host hostname -port 4848 --cluster default-cluster --nodeagent nodeagent1 --systemproperties "JMX_SYSTEM_CONNECTOR_PORT=8688:IIOP_LISTENER_PORT=3331:IIOP_SSL_LISTENER_PORT=4441:IIOP_SSL_ MUTUALAUTH_PORT=5551:HTTP_LISTENER_PORT=1111:HTTP_SSL_LISTENER_PORT=2221" instance2
「保存」をクリックします。
次のコマンドを実行して、default-cluster で融合ロードバランスを有効にします。
asadmin enable-converged-lb-server default-cluster
管理コンソールの「融合ロードバランサ」ノードで、cluster-lb を選択し、「ターゲット」タブをクリックします。「ロードバランサの詳細を編集」のリンクをクリックします。「ロードバランサの詳細を編集」ページで、「変更を自動的に適用」オプションをクリックして有効にし、「保存」をクリックします。デフォルトでは、このオプションは無効です。
また、asadmin set コマンドを使用して、このオプションを true に設定することもできます。詳細は、『Sun GlassFish Communications Server 1.5 High Availability Administration Guide』の第 2 章「融合負荷分散の設定」を参照してください。
クラスタを起動するには、次の手順に従います。
「一般」タブをクリックし、「クラスタの起動」ボタンをクリックします。
次のコマンドを実行して、クラスタとクラスタに含まれるインスタンスを起動します。
asadmin start-cluster --user admin --passwordfile adminpassword.txt --host hostname --port 4848 default-cluster
クラスタを起動すると、デフォルトで 2 つのインスタンスが起動されます。default-cluster は、融合ロードバランサ cluster-lb と関連付けられます。このクラスタは、Communications Server のインストールによりデフォルトで作成されます。次の図は、default-cluster と、このクラスタで実行される 2 つのインスタンスを示しています。