Java CAPS での LDAP の使用

アプリケーション設定プロパティーの動的指定

アプリケーション設定プロパティーを指定するには、静的な方法または動的な方法を使用できます。

静的な方法を使用する場合は、NetBeans IDE で設計時にプロパティー値を指定します。プロパティー値はアプリケーションファイルに格納されます。配備後に値の変更が必要な場合は、NetBeans IDE で値を変更し、アプリケーションファイルを再構築して、アプリケーションファイルを再配備する必要があります。

動的な方法を使用する場合は、設計時に LDAP URL を指定します。この URL は、LDAP サーバー内の属性を指す必要があります。アプリケーションを配備するときに、実際の値が LDAP サーバーから取得されます。静的な方法の手順を実行しなくても、配備後に LDAP サーバーで値を変更することができます。ただし、変更を有効にするには、アプリケーションファイルを無効にしてから再度有効にする必要があります。

この機能は、文字列値 (パスワードを含む)、数値、またはブール値を使用するプロパティーに使用できます。


注 –

プロパティー値を更新するもう 1 つの方法では、LDAP を使用する必要がありません。asadmin ツールで、extract-caps-application-configuration コマンドを実行します。指定したアプリケーションファイルの設定プロパティーがプロパティーファイルに抽出されます。1 つ以上のプロパティーの値を更新してから、import-caps-configuration コマンドを実行します。アプリケーションを再起動します。


アプリケーションサーバーから LDAP サーバーへのアクセスの有効化

このタスクでは、アプリケーションサーバーがどのように LDAP サーバーにアクセスできるかを指定するプロパティーを編集します。

Procedureアプリケーションサーバーが LDAP サーバーにアクセスを有効にする

  1. Sun Java System Application Server に付属の asadmin ツールを起動します。

  2. export-caps-ldap configuration コマンドを実行します。LDAP.properties ファイルを格納するディレクトリを指定する必要があります。


    asadmin> export-caps-ldap-configuration --capsconfigdir c:\temp

    LDAP.properties ファイルが生成されます。

  3. テキストエディタを使用して LDAP.properties ファイルを開きます。

  4. LDAP サーバーへのアクセス方法を指定する次のプロパティーの値を設定します。

    • host

    • port

    • sslport

    • password

    • loginDN

    ldapVersion プロパティーは省略可能です。このプロパティーは任意の数値に設定することができます。

  5. LDAP.properties ファイルを保存します。

  6. import-caps-configuration コマンドを実行します。LDAP.properties ファイルが格納されているディレクトリを指定する必要があります。


    asadmin> import-caps-configuration c:\temp
  7. Sun Java System Application Server に付属の管理コンソールを起動します。

  8. 左区画で、CAPS ノード、エンバイロメントおよび CM の上書きノード、そしてエンバイロメントの上書きノードを展開します。capsenv/LDAP ノードを選択します。

    右区画にプロパティーフィールドが表示されます。これで、管理コンソールからプロパティーを更新できます。あるいは、LDAP.properties ファイルを更新して import-caps-configuration コマンドを再度実行することもできます。

    管理コンソールの LDAP プロパティーのスクリーンショット。

プロパティーの LDAP URL の指定

Java CAPS で使用される可能性のある LDAP URL の 2 つの例を次に示します。


ldap://uid=BatchFTP_TargetFileName,ou=Batch_Adapter,dc=Adapters,dc=sun,dc=com?cn
ldap://uid=BatchFTP_Password,ou=Batch_Adapter,dc=Adapters,dc=sun,dc=com?cn

LDAP サーバー内のプロパティー値への正しいパスは、ディレクトリ構造によって異なります。

LDAP URL にバックスラッシュ文字 (\) は使用しないでください。

RFC 2255 で LDAP URL の形式が定義されています。RFC は http://www.ietf.org/rfc.html で参照できます。

Procedureプロパティーの LDAP URL を指定する

  1. NetBeans IDE で、プロパティーを含む「プロパティー」ダイアログボックスを開きます。

  2. LDAP サーバー内の対応する属性を指す LDAP URL を入力します。

    次のスクリーンショットでは、「ファイル名の入力」プロパティーが LDAP URL に設定されています。

    「プロパティー」ダイアログボックスのスクリーンショット。
  3. LDAP サーバーに移動し、実際の値を入力します。

  4. アプリケーションファイルを配備するときは、LDAP サーバーが稼働していることを確認してください。LDAP サーバーが稼働していない場合、配備は成功しません。