この節では、Sun Cluster Geographic Edition 構成のアップグレードに関する次の情報について説明します。
クラスタを Sun Cluster Geographic Edition 3.2 ソフトウェアにアップグレードする際は、アップグレードしようとするクラスタとパートナーシップを持っているすべてのクラスタで、次の要件とソフトウェアサポートのガイドラインを確認してください。
サポートされているハードウェア - クラスタハードウェアは、Sun Cluster Geographic Edition 3.2 ソフトウェアに対してサポートされた構成である必要があります。現在サポートされている Sun Cluster Geographic Edition 構成については、Sun の担当者にお問い合わせください。
Solaris OS の最小バージョン - クラスタが少なくとも Solaris 9 9/05 または Solaris 10 11/06 ソフトウェアで動作しているか、または必要な最新のパッチを含め、クラスタがこれらの OS でアップグレードされている必要があります。
Sun Cluster の最小バージョン - クラスタが Sun Cluster 3.2 ソフトウェアで動作しているか、またはクラスタが Sun Cluster 3.2 ソフトウェアにアップグレードされている必要があります。
クラスタのパートナーシップ - アップグレードしようとするクラスタとパートナーシップを持っているすべてのクラスタのすべてのノードで、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアをアップグレードする必要があります。
アップグレードしようとするクラスタとパートナーシップを持っているすべてのクラスタで次の手順を実行し、Sun Cluster Geographic Edition レイヤーを本稼動から削除します。Solaris 10 OS では、すべての手順を大域ゾーンだけから実行します。
次の作業を実行します。
クラスタ構成が、アップグレードの必要条件を満たしていることを確認します。詳細は、「アップグレード要件とソフトウェアサポートのガイドライン」を参照してください。
Solaris OS、Sun Cluster、Sun Cluster Geographic Edition 3.2 ソフトウェアなど、アップグレードしようとするすべてのソフトウェア製品について、それらのインストールメディア、マニュアル、およびパッチを用意します。
ソフトウェアのアップグレードを開始する前に、各クラスタのノードごとに、クラスタ構成に必要なパッチがすべてインストールされているか確認してください。パッチの場所とインストール手順については、『Sun Cluster Geographic Edition 3.2 ご使用にあたって』の「必要なパッチ」を参照してください。
Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアのアップグレードプロセス中に Solaris OS またはその他のアプリケーションをアップグレードする場合は、その前に Sun Cluster Geographic Edition パッケージを削除しておく必要があります。Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアのアンインストールについては、「Sun Cluster Geographic Edition 3.2 ソフトウェアのアンインストール」を参照して適切なアンインストール方法を判断してください。
クラスタの現在の状態を表示するには、任意のノードから次のコマンドを実行します。
% scstat |
詳細は、scstat(1M) のマニュアルページを参照してください。
同じノード上の /var/adm/messages ログに、解決されていないエラーや警告メッセージがないかどうかを確認します。
ボリューム管理の状態を確認します。
各クラスタのノードのスーパーユーザーになります。
すべてのアプリケーションリソースグループを保護グループから削除します。
高可用性アプリケーションは、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアのアップグレード中も停止しません。
# geopg remove-resource-group resourcegroup protectiongroup |
詳細は、geopg(1M) のマニュアルページを参照してください。
このクラスタとパートナーシップを持っているすべてのクラスタで、上記の手順を繰り返します。
クラスタ上でアクティブになっているすべての保護グループを停止します。
# geopg stop protectiongroup -e local |
詳細は、geopg(1M) のマニュアルページを参照してください。
Sun Cluster Geographic Edition インフラストラクチャーを停止します。
# geoadm stop |
詳細は、geoadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
クラスタ上で Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアをアップグレードします。「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアをアップグレードする」に進みます。
この手順はクラスタのすべてのノード上で実施してください。この手順は、複数のノードで同時に行えます。
クラスタがパートナーシップにある場合は、両方のパートナーを Sun Cluster Geographic Edition 3.2 ソフトウェアにアップグレードしたあとで、Sun Cluster Geographic Edition 3.2 ソフトウェアを起動できます。
uninstall プログラムを GUI で使用する場合は、アンインストールするクラスタノードの表示環境が GUI を表示するように設定されていることを確認します。
% xhost + % setenv DISPLAY nodename:0.0 |
表示環境が GUI を表示するように設定されていない場合、uninstall プログラムは代わりにテキストベースのモードで実行されます。
Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアをアンインストールするノードでスーパーユーザーになります。
現在の Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアをアンインストールします。
Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアのバージョン |
Solaris OS のバージョン |
アンインストールの方法 |
---|---|---|
3.1 8/05 |
8 または 9 |
Sun Cluster Geographic Edition 3.1 8/05 で提供されている uninstall プログラム。詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition Installation Guide』の第 4 章「Uninstalling the Sun Cluster Geographic Edition Software」を参照してください。 |
10 |
pkgrm コマンド。詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition 3.1 8/05 Release Notes』の「Limitations on Running Sun Cluster Geographic Edition Software on Solaris OS 10」を参照してください。 |
|
2006 3.1 Q4 |
8 |
pkgrm コマンド。詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition Installation Guide』の「Uninstalling Sun Cluster Geographic Edition Software on Solaris OS 8」を参照してください。 |
9 または 10 |
uninstall プログラム。詳細は、『Sun Cluster Geographic Edition Installation Guide』の「Uninstalling Sun Cluster Geographic Edition Software on Solaris OS 9 and 10」を参照してください。 |
すべてのノードがクラスタに含まれていて、オンラインになっていることを確認します。
クラスタの現在の状態を表示するには、任意のノードから次のコマンドを実行します。
% scstat |
詳細は、scstat(1M) のマニュアルページを参照してください。
同じノード上の /var/adm/messages ログに、解決されていないエラーや警告メッセージがないかどうかを確認します。
Sun Cluster 3.2 ソフトウェアにアップグレードします。
詳細は、『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』を参照してください。
第 2 章「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアのインストール」の説明に従って Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアをインストールします。
「パッチのインストール」の説明に従ってすべての必要なパッチをインストールします。
このクラスタとパートナーシップを持っているすべてのクラスタのすべてのノードで、上記の手順を繰り返します。
アップグレードした各パートナークラスタの1つのノードで、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアを有効にします。
# geoadm start |
両方のパートナークラスタのすべてのノードで、公開鍵を更新します。
localnode# geops remove-trust -c remotecluster |
リモートクラスタ内の各ノードで、公開鍵を削除します。
remotenode# geops remove-trust -c localcluster |
ローカルクラスタの 1 つのノードで、リモートクラスタから公開鍵をインポートします。
localnode# geops add-trust -c remotecluster |
リモートクラスタの 1 つのノードで、ローカルクラスタから公開鍵をインポートします。
remotenode# geops add-trust -c localcluster |
# geops verify-trust -c partnercluster |
パートナーシップを構成して参加する方法の例については、『Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理』の「パートナーシップに参加する方法」を参照してください。
Sun Cluster Geographic Edition 3.1 8/05 ソフトウェアからアップグレードした場合は、ICRM プラグインを両方のパートナークラスタ上のすべてのハートビートから削除します。
次のコマンドでは、わかりやすくするため、クラスタ名 cluster-paris および cluster-newyork と、ハートビート識別子 hb_paris~newyork および hb_newyork~paris を使用しています。
phys-paris-1# geohb remove-plugin pluginname hb_cluster-paris~cluster-newyork phys-paris-1# geohb remove-plugin pluginname hb_cluster-newyork~cluster-paris phys-newyork-1# geohb remove-plugin pluginname hb_cluster-paris~cluster-newyork phys-newyork-1# geohb remove-plugin pluginname hb_cluster-newyork~cluster-paris |
クラスタアップグレードの準備の際に削除したすべてのアプリケーションリソースグループを、パートナークラスタの 1 つにある 1 つのノードから、保護グループに追加して戻します。
# geopg add-resource-group resourcegroup protectiongroup |
詳細は、geopg(1M) のマニュアルページを参照してください。
# geopg start protectiongroup -e local [-n] |
詳細は、geopg(1M) のマニュアルページを参照してください。
「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアのアップグレードを確認する」に進みます。
この手順を実行して、クラスタが Sun Cluster Geographic Edition 3.2 ソフトウェアに正常にアップグレードされたことを確認します。Solaris 10 OS では、すべての手順を大域ゾーンだけから実行します。
アップグレードするすべてのクラスタノードで、すべてのアップグレード手順が完了していることを確認します。
各ノードでスーパーユーザーになります。
アップグレードした各ノードで、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアのインストールされたレベルを表示します。
# geoadm -V |
出力の最後の行は、どのバージョンの Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアでノードが動作しているかを示します。このバージョンはアップグレードするバージョンと一致していなければなりません。
geoadm -v コマンドが返すバージョン番号は、マーケティングリリースのバージョン番号とは一致しません。Sun Cluster Geographic Edition 3.2 ソフトウェアのバージョン番号は 1.2 となっているはずです。
# geoadm status |
(省略可能) スイッチオーバーを実行し、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアが正常にインストールされたことを確認します。
# geopg switchover remotecluster protectiongroup |
スイッチオーバーを妨げる問題がないことを確認するため、地理的に離れたクラスタを適切にテストする必要があります。二次クラスタを先にアップグレードし、その二次クラスタにスイッチオーバーすることで、スイッチオーバーが引き続き動作することを確認できます。スイッチオーバーが失敗した場合は、主サイトは変更されず、スイッチバックできます。スイッチオーバーが二次サイトに対して動作する場合は、一定の「保持時間」が経過したあとに、主サイトも同様にアップグレードできます。
スイッチオーバーの際、クラスタで実行中のサービスが割り込みを受けることがあります。スイッチオーバーを実行する前に、必要な作業とリソースについて注意深く計画を立ててください。
アプリケーションリソースグループを保護グループに追加して戻した場合にスイッチオーバーを実行すると、元の主クラスタ上のアプリケーションがシャットダウンし、アプリケーションが二次クラスタに移行します。