Sun Cluster Geographic Edition Oracle Data Guard 向けデータ複製ガイド

Oracle Data Guard データ複製の概要

この節では、Oracle Data Guard と Sun Cluster Geographic Edition の統合について概要を示します。また、Oracle Data Guard と Sun StorageTekTM Availability Suite ソフトウェア Hitachi TrueCopy および EMC SRDF などのその他データ複製製品に対するサポートの違いについて示します。

Oracle Data Guard シャドウリソースグループ

保護グループに Oracle Data Guard ソフトウェアによって制御される Oracle Data Guard Broker 構成を追加できます。 Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアによって、各 Oracle Data Guard Broker 構成に対し シャドウ RAC サーバープロキシリソースグループ が作成されます。 シャドウリソースグループの名前の書式は次のとおりです。

ODGconfigurationname-rac-proxy-svr-shadow-rg

たとえば、Oracle Data Guard ソフトウェアによって制御される sales という名前の Oracle Data Guard Broker 構成に、sales という名前の シャドウ RAC サーバープロキシリソースグループ があるとします。 -rac-proxy-svr-shadow-rg。 ただし、構成名に 1 つ以上のピリオド (.) が含まれている場合、ピリオドが下線 (_) に変換された状態でリソースグループ名が作成されます。したがって、構成名 mysales.com は、mysales_com -rac-proxy-svr-shadow-rg という名前のシャドウリソースグループを含むことになります。

Sun Cluster ソフトウェアの制御下にある Oracle RAC データベースを管理および監視するよう作成した実際の RAC サーバープロキシリソースグループ の「シャドウ」が、シャドウ RAC サーバープロキシリソースグループ によって作成されます。

各シャドウリソースグループには単一のリソース SUNW.gds リソースがあります。このリソースの検証機能スクリプトによって、RAC サーバープロキシリソースグループ の状態が反映されます。 このリソースの名前の書式は次のとおりです。


ODGconfigurationname-rac-proxy-svr-shadow-rs

RAC サーバープロキシリソースグループ の詳細は、『Sun Cluster Data Service for Oracle RAC Guide for Solaris OS 』を参照してください。

その他の Sun Cluster Geographic Edition 複製ソフトウェアと違い、Oracle Data Guard ソフトウェアは Oracle RAC ソフトウェアの中心的な機能であるため、シャドウ RAC サーバープロキシリソースグループ が必要です。Oracle Data Guard を使用するには Oracle RAC ソフトウェアを実行中にし、データベースによってデータの複製が開始されている必要があります。

したがって、実際の RAC サーバープロキシリソースグループ を Sun Cluster Geographic Edition の制御下に置くことにより、スタンバイクラスタ上で Oracle RAC データベースを停止することになります。対照的に、シャドウ RAC サーバープロキシリソースグループ は Sun Cluster Geographic Edition の制御下に置くことができます。 この操作はデータ複製処理を妨げることなく実行できます。この操作を実行しても、アプリケーションリソースグループを管理する通常の Sun Cluster Geographic Edition 構造に構成を合わせることができます。

シャドウ RAC サーバープロキシリソースグループ の状態には、RAC サーバープロキシリソースグループ によって監視、制御されているデータベースが、主クラスタまたはスタンバイクラスタのどちらであるかが示されます。つまり、この状態は、データベースが主クラスタ上でオンラインであり、スタンバイクラスタ上では管理されていないことを表します。 さらに、シャドウ RAC サーバープロキシリソース の状態には、RAC サーバープロキシリソース の状態とデータベースがプライマリまたはスタンバイのどちらであるかが反映されます。

Oracle Data Guard 複製リソースグループ

Oracle Data Guard ソフトウェアを制御している Oracle Data Guard Broker 構成が保護グループに追加される場合、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアによって、複製リソースグループ内の特定の Oracle Data Guard Broker 構成に対して特別な複製リソースが作成されます。これらの複製リソースグループを監視することにより、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアは複製の全体的な状態を監視できます。各保護グループには、各 Oracle Data Guard Broker 構成の複製リソースを 1 つ持つ複製リソースグループが 1 つ作成されます。

複製リソースグループの名前の書式は次のとおりです。

ODGProtectiongroupName-odg-rep-rg

複製リソースグループ内の複製リソースは、ローカルクラスタ上の Oracle Data Guard Broker 構成の複製状態を監視します。その結果は、Oracle Data Guard Broker ソフトウェアによって報告されます。

複製リソースの名前の書式は次のとおりです。

ODGBrokerConfigurationName-odg-rep-rs


注 –

Oracle Data Guard では、保護グループがクラスタ内で有効化されているときに、データ複製リソースが有効です。 したがって、Oracle Data Guard では、保護グループが無効化されているクラスタ内では、データ複製の状態は unknown と表示されます。