ユーザーとグループの認証が行われる場合、ユーザーがアクセス制御規則で指定されているリソースにアクセスするには、ユーザー名とパスワードを入力する必要があります。
Proxy Server は、Sun Java System Directory Server などの LDAP サーバー、または内部ファイルベースの認証データベースのいずれかに格納されているユーザーとグループのリストを確認します。
データベース内のすべてのユーザーに対してアクセスを許可または拒否することも、ワイルドカードパターンを使用して特定のユーザーに対してアクセスを許可または拒否することも、アクセスを許可または拒否する対象をユーザーとグループのリストから選択することもできます。
ユーザーインタフェースの「Access Control Rules For」ページにある「Users/Groups」には、次の要素が表示されます。
「Anyone (No Authentication)」はデフォルト値で、すべてのユーザーがユーザー名とパスワードを入力しなくても、リソースにアクセスできることを意味します。ただし、ホスト名や IP アドレスなど、その他の設定に基づいてユーザーのアクセスが拒否される場合もあります。管理サーバーの場合、この設定は、分散管理のために指定した管理者グループ内のすべてのユーザーがページにアクセスできることを意味します。
「Authenticated People Only」
「All In The Authentication Database」は、データベースにエントリがあるユーザーに一致します。
「Only The following People」では、一致するユーザーとグループを指定します。エントリをコンマ (,) で区切るか、またはワイルドカードパターンを使用すると、ユーザーとユーザーグループの任意のリストを作成することができます。また、データベースに格納されているユーザーやグループのリストから選択することもできます。「Group」は、指定したグループ内のすべてのユーザーに一致します。「User」は、指定した個々のユーザーに一致します。管理サーバーでは、ユーザーを分散管理のために指定した管理者グループのメンバーにする必要があります。
「Prompt For Authentication」では、認証ダイアログボックスに表示されるメッセージテキストを入力します。このテキストを使用して、ユーザーが入力する必要のある項目について説明することができます。オペレーティングシステムによっては、最初の 40 文字程度しか表示されません。ほどんどのブラウザでは、ユーザー名とパスワードをキャッシュし、それらをプロンプトのテキストと関連付けます。つまり、ユーザーが同じプロンプトが表示されるサーバーの領域 (ファイルやディレクトリ) にアクセスする場合、ユーザー名とパスワードを再入力する必要がありません。逆に、さまざまな領域でユーザーに対して再認証を求めるようにする場合、そのリソースに対する ACL のプロンプトを変更する必要があります。
「認証メソッド」では、クライアントから認証情報を取得するためにサーバーが使用する方法を指定します。管理サーバーで使用できるのは、認証の基本メソッドだけです。サーバーマネージャーは、次の方法を提供します。
「デフォルト」では、obj.conf ファイルで指定されているデフォルトメソッドを使用します。obj.conf ファイルに設定されていない場合は「Basic」を使用します。「Default」を選択した場合、ACL 規則によって ACL ファイル内のメソッドが指定されることはありません。「Default」を選択すると、obj.conf ファイル内の 1 行を編集することによって、すべての ACL の方法を簡単に変更できます。
「Basic」では、HTTP メソッドを使用して、クライアントから認証情報を取得します。ユーザー名とパスワードは、サーバーで暗号化が設定されている (SSL が有効) 場合にのみ暗号化されます。それ以外の場合、ユーザー名とパスワードはクリアテキスト形式で送信され、傍受された場合は読み取られる可能性があります。
「SSL」では、クライアント証明書を使用してユーザーの認証を行います。このメソッドを使用するには、サーバーの SSL を有効にする必要があります。暗号化が有効になっている場合、基本メソッドと SSL メソッドを組み合わせて使用することができます。
セキュリティーを有効にできるのは、逆プロキシモードのときに限られ、順プロキシモードのときは有効にできません。
「Digest」では、ユーザー名とパスワードをクリアテキストとして送信することなく、ブラウザでユーザー名とパスワードに基づいて認証を行えるようにする認証メカニズムを使用します。ブラウザは MD5 アルゴリズムを使用して、ユーザーのパスワードと Proxy Server によって提供される情報の一部を使用するダイジェスト値を作成します。このダイジェスト値は、サーバー側でダイジェスト認証プラグインを使用して計算され、クライアントによって提示されたダイジェスト値と比較されます。
ダイジェスト認証では、「Prompt For Authentication」が必須のパラメータです。レルムに一致するように値を変更します (ダイジェストファイルの場合は必須)。たとえば、ダイジェストファイルですべてのユーザーがレルム test 内に存在するように設定した場合、「Prompt For Authentication」フィールドにはテキスト test が含まれるようにします。
「Authentication Database」では、サーバーでユーザーの認証に使用するデータベースを指定します。このオプションは、サーバーマネージャーからしか利用できません。「Default」を選択した場合、サーバーはデフォルトとして設定されているディレクトリサービス内のユーザーとグループを検索します。異なるデータベースを使用するように個々の ACL を設定する場合は、「Other」を選択し、データベースを指定します。 server-root/userdb/dbswitch.conf でデフォルト以外のデータベースと LDAP ディレクトリを指定する必要があります。カスタムデータベースにアクセス制御 API を使用する場合は、「Other」を選択し、データベース名を入力します。