Forth のコマンド構造は非常に単純です。Forth のコマンドは、Forth ワードとも呼ばれますが、印刷可能な文字 (たとえば、英字、数字、句読記号) の任意の組み合わせです。正しいワードの例を次に示します。
@ dump . 0< + probe-scsi |
probe-scsi コマンドとして認識されるためには、Forth ワードはそれぞれの間を 1 つまたはそれ以上の空白文字で分離する必要があります。他の一部のプログラミング言語で通常「句読文字」として取り扱われる文字は、Forth ワード間の区切りには使用されません。実際には、それらの多くの「句読文字」は Forth ワードそのものなのです。
どのコマンド行の終わりで Return キーを押しても、そこまで入力したコマンドが実行されます。(この章に示すすべての例で、行の終わりでは Return キーが押されるものとしています。)
1 コマンド行に複数のワードを入力できます。1 行上の複数のワードは、左から右に向かって、つまり入力順に 1 つ 1 つ実行されます。たとえば、次の例は、
ok testa testb testc ok |
次の 3 行と同じです。
ok testa ok testb ok testc ok |
OpenBoot では、Forth ワード名に大文字と小文字の区別はありません。したがって、testa、TESTA、TesTa はすべて同じコマンドを起動します。しかし、習慣によりコマンドは小文字で書きます。
コマンドによっては (たとえば、dump または words)、大量の出力を生成するものがあります。そのようなコマンドは、q 以外の任意のキーを押して中断できます (q を押した場合は、出力は一時停止でなく強制終了されてしまいます)。コマンドを中断すると、出力は一時的に停止され、次のメッセージが表示されます。
More [<space>,<cr>,q] ? |
これに対して、スペースバー (<space>) を押して出力を再開するか、Return (<cr>) キーを押して 1 行出力し、再び休止するか、または q を入力してコマンドを強制終了します。出力が複数ページ生成する場合は、システムは自動的に各ページの終わりに上に示したプロンプトを表示します。