テストしようとするシステムの 1 つまたは複数のシリアルポートから、ファイルサーバーとして動作させる第 2 のシステムに接続することができます。このファイルサーバーは、次の条件が満たされれば、システムタイプが同じであってもなくても差し支えありません。
ファイルサーバーのシリアルポートの性能がテストされるシステムと互換性がある。
ファイルサーバーに、その出力ボーレートをテストされるシステムのそれと一致するように設定できる端末エミュレータを備えている。
2 つのシステムをこのように接続することにより、ファイルサーバー上の端末エミュレータを、テストしようとしているシステムへの端末として使用できます。(UNIX システムについては、リモートホストへ接続する端末に関する詳細について、オンラインの tip マニュアルページを参照してください。Windows システムについては、アクセサリのターミナルの説明を参照してください。Macintosh(R) システムについては、MacTerminal(R) のマニュアルを参照してください。)
この端末エミュレーション方式は、起動 ROM を使って作業を行うときに通常のエディタとオペレーティングシステムの機能を使用できるので、(単にダム端末に接続するよりも) お薦めします。
以降では、「システム」とはテストしようとするシステム、つまりテストされるシステムのことで、「サーバー」とはテストされるシステムに接続するファイルサーバーのことです。
この章に示す手順は、UNIX の tip 端末エミュレータを使用するものとしています。他の端末エミュレータの場合も、手順は似ています。
3 芯の「ヌルモデム」ケーブル (つまり、ピン 3 をピン 2 に、ピン 2 をピン 3 に、ピン 7 をピン 7 に接続するケーブル) を使用して、サーバーのシリアルポートをシステムのシリアルポートに接続します。以降の例では、システムのポート A とサーバーのポート B を使用するものとします。
サーバーで tip セッションを設定するため、次のように入力します。
hostname% tip -9600 /dev/ttyb connected |
サンワークステーションでは、コマンドツールウィンドウでなく、シェルツールウィンドウを使用してください。一部の tip コマンドがコマンドツールウィンドウでは正しく機能しないことがあります。
システムを起動して、ok プロンプトを表示させます。
システムにビディオモニタを接続してない場合は、システムの ttya をサーバーの ttyb に接続し、システムに電源を投入します。数秒待ってから、Stop-A を押して電源投入処理を中断し、n を入力して ok プロンプトを表示させます。システムが完全に動作不可でさえなければ、ユーザーインタフェースが使用可能になり、ok プロンプトに対しコマンド入力が可能となり、この手順の次の手順に進むことができます。
標準入出力先を ttya にリダイレクトするには、次のように入力します。
ok ttya io |
画面には応答はありません。
サンワークステーションのキーボードで Return キーを押します。ok プロンプトが tip ウィンドウに表示されます。
tip ウィンドウに ‾# と入力するのは、SPARC システムで Stop-A と入力するのと同じです。
テストされるシステムのサーバーとして使用しているサンワークステーションからは Stop-A を入力しないでください。入力すると、サーバーのオペレーティングシステムが強制終了されてしまいます。(誤って Stop-A と入力した場合は、ただちに > プロンプトで c を入力するか、ok プロンプトで go を入力して、正常状態を回復してください。再表示コマンドにより画面がもとの状態にもどります。)
この節では、2.0 より前の Solaris オペレーティング環境で発生する tip の障害の解決方法について説明します。
tip にかかわる障害は、次のような場合に発生することがあります。
ロックディレクトリがなくなっているか、誤っている。
/usr/spool/uucp という名前のディレクトリが必要です。所有者は uucp で、モードは drwxr-sr-x です。
ttyb がログイン用に有効になっている。
/etc/ttytab 内の ttyb (または使用しているシリアルポート) のステータスフィールドを off に設定してなければなりません。このエントリを変更する必要がある場合は、必ず root になって kill -HUP 1を実行してください (init(8) マニュアルページを参照)。
/dev/ttyb がアクセスできない。
ときどき、プログラムが /dev/ttyb (使用するシリアルポート) のモードを変更してしまい、アクセスできなくなることがあります。/dev/ttyb のモードが crw-rw-rw- に設定されていることを確認してください。
シリアルラインがタンデムモードになっている。
tip 接続がタンデムモードの場合は、オペレーティングシステムはときどき (特に他のウィンドウのプログラムが大量に出力しているときに) XON (^S)文字を送出することがあります。XON 文字は Forth の key? ワードによって検出され、混乱を生じることがあります。この解決方法は、 ‾s !tandem tip コマンドでタンデムモードをオフにすることです。
.cshrcファイルがテキストを生成する。
tip が、cat を実行するためにサブシェルを開くため、読み込まれたたファイルの先頭にテキストを付け加えてしまいます。dl を使用して予期されない出力を調べる場合は、.cshrc ファイルをチェックしてください。