Solaris オペレーティング環境をアップグレードする前に既存のファイルシステムをバックアップしてください。バックアップにテープなどの取り外し可能な媒体を使用すると、データの損失、損傷、破壊など、万一の場合に備えることができます。
Solaris Web Start の「バックアップ用の媒体を指定 (Specify Backup Media)」画面を使用すれば、システムをローカルのディスクや、ローカルのテープ、リモートのファイルシステムにバックアップできます。
バックアップ手順が決められていない場合は、次の手順に従ってファイルシステムの完全バックアップをテープにとってください。システムのバックアップ方法やスケジュールバックアップの設定方法の詳細は、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』を参照してください。
スーパーユーザーになります。
システムをシャットダウンします。
# init 0 |
シングルユーザーモードでシステムをブートします。
ok boot -s |
ファイルシステムの整合性を
ファイルシステムの整合性を検査すれば、バックアップするデータが壊れていないことを確認できます。電源の障害などにより、ファイルが不整合の状態になっていることがあります。
検査しない場合は、次の手順に進みます。
検査する場合は、fsck コマンドに -m オプションを指定して実行します。
# fsck -m /dev/rdsk/device-name |
ファイルシステムをリモートのテープドライブに
バックアップしない場合は、次の手順に進みます。
バックアップする場合は、以下の手順に従います。
テープドライブのデバイス名を指定します。
デフォルトのテープドライブは /dev/rmt/0 です。
書き込み保護をしていないテープをテープドライブに挿入します。
表 3-3 の ufsdump コマンドのいずれかを使用して、ファイルシステムをバックアップします。
表 3-3 完全バックアップコマンド
完全バックアップの保存先 |
使用するコマンド |
---|---|
ローカルのカートリッジテープドライブ |
ufsdump 9ucf /dev/rmt files_to_backup |
リモートのカートリッジテープドライブ |
ufsdump 0ucf remote_host:/ files_to_backup |
プロンプトが表示されたら、テープを取り出して、次のテープに交換します。
各テープには、ボリューム番号、レベル、日付、システム名、およびファイルシステムを記したラベルを付けておきます。
Control-D キーを押して、レベル 3 でシステムをブートします。
システムのバックアップが成功していることを確認します。
# ufsrestore -t |