finish スクリプトを作成すると、Solaris をシステムにインストールした後に、パッケージやパッチを自動的に追加できます。これは時間を節約するだけでなく、どのパッケージやパッチがユーザーのサイトにあるさまざまなシステムにインストールされているかについての整合性を確保できます。
pkgadd(1M) コマンドや patchadd(1M) コマンドを finish スクリプトで使用するときは、-R オプションを使用して、/a をルートパスとして指定しなければなりません。
例 7-1 はパッケージを追加する finish スクリプトの例を示します。
#!/bin/sh BASE=/a MNT=/a/mnt ADMIN_FILE=/a/tmp/admin mkdir ${MNT} 1 mount -f nfs sherlock:/export/package ${MNT} 2 cat >${ADMIN_FILE} <<DONT_ASK mail=root instance=overwrite partial=nocheck runlevel=nocheck idepend=nocheck rdepend=nocheck space=ask setuid=nocheck conflict=nocheck action=nocheck basedir=default DONT_ASK 3 /usr/sbin/pkgadd -a ${ADMIN_FILE} -d ${MNT} -R ${BASE} SUNWxyz umount ${MNT} rmdir ${MNT} |
1. インストールするパッケージを含むサーバー上にディレクトリをマウントします。
2. 一時的なパッケージ管理ファイル admin を作成し、パッケージのインストール時に pkgadd(1M) コマンドがチェックを行わない (および質問を表示しない) ようにします。これにより、パッケージ追加時に自動インストールを実行できます。
3. -a オプション (パッケージ管理ファイルを指定) と -R オプション (ルートパスを指定) を使用してパッケージを追加します。
以前は finish スクリプト環境では、pkgadd コマンドや patchadd コマンドとともに chroot(1M) コマンドが使用されていました。これは推奨する方法ではありませんが、一部のパッケージやパッチには、-R オプションが正しく動作しないものもあります。このような状況では、chroot コマンドを使用する前に、仮の /etc/mnttab ファイルを /a ルートパスに作成しなければなりません。
/etc/mnttab ダミーファイルを作成するには、次の行を finish スクリプトに追加します。
cp /etc/mnttab /a/etc/mnttab