Solaris 8 のインストール (上級編)

ルールキーワードと値の説明

表 6-3 で、rules ファイルで使用できるルールキーワードとルール値について説明します。

表 6-3 ルールキーワードとルール値の説明

ルールキーワード 

ルール値 

説明 

any

マイナス記号 (-)

常に一致する 

arch

processor_type

processor_type の有効な値

  • SPARC: sparc

  • IA: i386

システムのプロセッサタイプを照合する。 

システムのプロセッサタイプは、uname -p コマンドで調べることができる

disksize

actual_disk_name size_range

actual_disk_name - cxtydz 形式 (たとえば、c0t3d0c0d0) のディスク名または rootdiskrootdisk を使用する場合、照合するディスクは次の順番で決定される。

  • SPARC: インストール済みのブートイメージを持つディスク (出荷時に JumpStart がインストールされている新しい SPARC 搭載システム)

  • c0t3d0s0 ディスク (存在する場合)

  • 最初に利用可能なディスク (カーネルのプローブ順で検索される)

size_range - ディスクのサイズ。M バイト単位の範囲 (x-x) で指定する必要がある

システムのディスクの名前とサイズを照合する (M バイト単位)。 

例:

disksize c0t3d0 250-300

この例は、250〜300M バイトの c0t3d0 ディスクを備えるシステムと照合する。

例:

disksize rootdisk 750-1000

この例では、まず初めに事前にインストールされたブートイメージを含むシステムディスク、次に c0t3d0s0 ディスク、最後に 750M バイトから 1G バイトの情報を格納できるディスクを探します。


注 -

size_range を計算するときは、1M バイトが 1,048,576 バイトであることに注意してください。「535M バイト」ディスクと明記されているディスクでも、ディスク空間が 510M バイトしかない場合があります。535,000,000/1,048,576=510 により、JumpStart は「535M バイト」ディスクを実際には 510M バイトのディスクと見なします。したがって、この「535M バイト」ディスクは 530-550 の size_range には一致しません。


domainname

actual_domain_name

システムのドメイン名を照合する。ドメイン名でネームサービスが情報を判別する方法を制御する。 

システムがインストール済みの場合、domainname コマンドによりシステムのドメイン名を表示できる

hostaddress

actual_IP_address

システムの IP アドレスを照合する 

hostname

actual_host_name

システムのホスト名を照合する。 

システムがインストール済みの場合、uname -n コマンドによりシステムのホスト名を表示できる

installed

slice version

slice - cwtxdysz 形式 (たとえば、c0t3d0s5) のディスクスライス名、または anyrootdiskany を使用すると、システムに接続されたどのディスクも照合する (カーネルのプローブ順)。rootdisk を使用すると、照合するディスクは次の順番で決定される。

  • SPARC: インストール済みのブートイメージを持つディスク (出荷時に JumpStart がインストールされている新しい SPARC 搭載システム)

  • c0t3d0s0 ディスク (存在する場合)

  • 最初に利用可能なディスク (カーネルのプローブ順で検索される)

version - Solaris_2.x などのバージョン名、または anyupgradeany を使用すると、Solaris または SunOS リリースのどれとでも照合する。upgrade を使用すると、アップグレード可能な Solaris 2.1 以上のリリースのどれとでも照合する。

JumpStart で Solaris リリースが見つかっても、バージョンが不明な場合は、SystemV をバージョンとして返す

Solaris ソフトウェアの特定バージョンに対応するルートファイルシステムが存在するディスクを照合する。 

例:

installed c0t3d0s1 Solaris_8

この例では、c0t3d0s1 に Solaris 8 のルートファイルシステムを持つシステムを照合している

karch

actual_platform_group

有効な値は、sun4dsun4msun4ui86pc (各種システムとそのプラットフォームグループの詳細なリストは、付録 A 「プラットフォーム名とグループ」 を参照)

システムのプラットフォームグループを照合する。 

システムがインストール済みの場合は、arch -k コマンドまたは uname -m コマンドにより、システムのプラットフォームグループを表示できる

memsize

physical_mem

値は M バイト単位の範囲 (<x-x) または 1 つの M バイト値で指定する

システムの物理メモリーサイズを照合する (M バイト単位)。 

例:

memsize 16-32

この例では、16M〜32M バイトの物理メモリーサイズを持つシステムと照合している。 

システムがインストール済みの場合は、prtconf コマンド (2 行目) によりシステムの物理メモリーサイズを表示できる

model

actual_platform_name

システムのプラットフォーム名を照合する。有効なプラットフォーム名については、付録 A 「プラットフォーム名とグループ」 を参照。

インストール済みのシステムのプラットフォーム名を見つけるには、uname -i コマンドか prtconf コマンド (5 行目) の出力を使用する。

network

network_num

システムのネットワーク番号を照合する。これは JumpStart が、システムの IP アドレスとサブネットマスクの論理積をとって判別する。 

例:

network 193.144.2.8

この例では、IP アドレスが 193.144.2.8 のシステムを照合する (サブネットマスクが 255.255.255.0 の場合) 

osname

Solaris_2.x

システムにすでにインストールされている Solaris のバージョンを照合する。 

例:

osname Solaris_7

この例では、Solaris 7 がすでにインストールされているシステムを照合している 

probe

probe_keyword

有効なプローブまたはカスタムプローブキーワード 

例:

probe disks

この例では、システムのディスクのサイズがカーネル検索順序 (たとえば、SPARC ベースシステムでは、c0t3d0s0c0t3d0s1c0t4d0s0) で返され、環境変数 SI_DISKLISTSI_DISKSIZESSI_NUMDISKS、および SI_TOTALDISK が設定される。


注 -

probe キーワードは、属性を照合せず、プロファイルを実行しないという特徴があります。このキーワードは、値を返すだけです。したがって、probe ルールキーワードで、begin スクリプト、プロファイル、および finish スクリプトは指定できません。


プローブキーワードについては、第 8 章「カスタムルールおよびプローブキーワードの作成方法」を参照してください。

totaldisk

size_range

値は M バイト単位の範囲 (x-x) で指定する必要がある

システムのディスク空間の全体量 (M バイト単位) を照合する。ディスク空間の全体量には、システムに接続されている使用可能なディスクがすべて含まれる。 

例:

totaldisk 300-500

この例では、全体として 300M〜500M バイトのディスク空間を持つシステムと照合している。 


注 -

size_range を計算するときは、1M バイトが 1,048,576 バイトであることに注意してください。「535M バイト」ディスクと明記されているディスクでも、ディスク空間が 510M バイトしかない場合があります。535,000,000/1,048,576=510 により、JumpStart は「535M バイト」ディスクを実際には 510M バイトのディスクと見なします。したがって、この「535M バイト」ディスクは 530-550 の size_range には一致しません。