Solaris 共通デスクトップ環境 ユーザーズ・ガイド

カレンダでのフェデレーテッド・ネーミングの使い方

各サイトでフェデレーテッド・ネーミング・サービス (FNS) を使用している場合は、カレンダをロケーションに依存しない形式で指定できます。つまり、ホスト・マシンを含めないでカレンダを指定できます。たとえば、FNS を使用しないで、ユーザ jsmith のカレンダを指定するには、jsmith@hostmachine と入力する必要があります。FNS を使用すると、jsmith と入力するだけですみます。

カレンダのデフォルト動作は変わりません。username@hostname という形式を使用してカレンダを指定できます。カレンダの新しい指定方法を使用するには、リソース useFNS を設定する必要があります。このリソースは、.desksetdefaults ファイルを手入力で編集して有効にするか、[表示形式の設定] ダイアログ・ボックスを使って有効にできます。([ファイル] メニューから [オプション] を選択し、[オプション] ダイアログ・ボックスの [カテゴリ] メニューから [表示形式の設定] を選択します。次に、[フェデレーテッド・ネーミングを使用] チェックボックスをクリックしてから、[了解] をクリックします。)

カレンダの指定

useFNS 機能が有効であれば、カレンダの新しい指定方法と古い指定方法の両方を使用できます。[ブラウズ] メニューの [他の人のカレンダを表示] を選択すると、rosanna と入力するだけで、ユーザ rosanna のカレンダを参照できます。また、rosanna@alto と入力して、カレンダを直接指定できます。新しい名前は、カレンダ名が必要な場所であれば、どこでも入力できます ([他の人のカレンダを表示] や、[オプション] の [表示形式の設定] の [起動時のカレンダ表示] など)。

ロケーションに依存しない指定方法を機能させるには、カレンダの所在に関する登録情報を保持する名前空間が必要です。

カレンダの登録

useFNS を有効に設定してカレンダを実行すると、カレンダは、名前空間にそのカレンダを自動的に登録しようとします。一度登録されたカレンダは、そのユーザ名を使用するだけで誰でも参照できます。後でカレンダを移動した場合は、[表示形式の設定] ダイアログ・ボックスの [ユーザカレンダの場所] を変更してください。こうすると、名前空間に登録されたカレンダ・アドレスは、次にカレンダを再起動したときに自動的に更新されます。FNS コマンドの fnbind を使用すると、カレンダ外の名前空間の情報を更新することもできます。

NIS 環境では、自動登録はサポートされていません。これは、NIS が任意データの動的更新をサポートしていないためです。また、fnbind は、NIS マスター上の root によって実行された場合にのみ正常に実行できます。

ネーミング・サービスの依存性

Solaris 2.5 オペレーティング環境またはその互換バージョンでは、FNS は NIS+ でのみ動作します。

構築上の依存性

dtcm を構築する CDE 開発者は、構築マシン上に適切な FNS パッケージをインストールしておく必要があります。Solaris 2.5 以前のリリースの場合は、Solaris 2.5 SUNWfns パッケージが必要です。これらのパッケージは、OSNet ゲート (たとえば、/ws/on297-gate/packages) または Solaris の特定リリースのパッケージ・ディレクトリからインストールできます。

実行時の依存性

dtcm が適切な SUNWfns を実行時に見つけることができない場合は、FNS は使用されません。カレンダは、SUNWfns パッケージを使用しなくても、システム上で常に実行できます。