本書『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』は、Solaris システム管理に関する情報を提供する、3 巻構成のマニュアルの 第 1 巻です。本書は、SPARCTM および IA の両方のプラットフォームにおけるシステム管理について解説しています。
このマニュアルでは、システム管理者である読者が SunOSTM 5.8 オペレーティングシステムをすでにインストールしていて、ネットワークソフトウェアの設定を終了していることを想定しています。SunOS 5.8 オペレーティングシステムは、多くの機能と Solaris 共通デスクトップ環境 (CDE) を含む Solaris 製品の一部です。また、SunOS 5.8 は、AT&T System V リリース 4 オペレーティングシステムに準拠しています。
システム管理に関する Solaris 8 の新機能については、各章の新機能に関する節を参照してください。
Solaris オペレーティング環境は、SPARC と IA の 2 種類のハードウェア (プラットフォーム) で動作します。また、Solaris オペレーティング環境は、64 ビットアドレス空間でも 32 ビットアドレス空間でも動作します。このマニュアルの情報は、章、節、項、注、箇条書き、表、例、コード例などで特に記述する場合を除き、両方のプラットフォームとアドレス空間に適用されます。
このマニュアルは、Solaris 8 システムの管理者を対象にしています。このマニュアルを読むには、UNIX のシステム管理について 1 〜 2 年の経験が必要です。UNIX® システム管理のトレーニングコースに参加することも、知識の習得に役立ちます。
Solaris システム管理について説明している 3 冊のマニュアルには、主に次に示す内容が記載されています。
「ユーザーアカウントとグループの管理」
「サーバーとクライアントサポートの管理」
「システムのシャットダウンとブート」
「取り外し可能な媒体の管理」
「ソフトウェアの管理」
「デバイスの管理」
「ディスクの管理」
「ファイルシステムの管理」
「データのバックアップと復元」
「印刷サービスの管理」
「リモートシステムの利用」
「端末とモデムの管理」
「システムセキュリティの管理」
「システム資源の管理」
「システム性能の管理」
「Solaris ソフトウェアで発生する問題の解決」
「ネットワークサービス」
「IP アドレスの管理」
「モデム関連ネットワークサービス」
「リモートファイルシステムの管理」
「メールサービスの設定と管理」
「ネットワークサービスの監視」
専門書を扱うインターネットの書店 Fatbrain.com から、米国 Sun MicrosystemsTM, Inc. (以降、SunTM とします) のマニュアルをご注文いただけます。
マニュアルのリストと注文方法については、http://www1.fatbrain.com/documentation/sun の Sun Documentation Center をご覧ください。
http://docs.sun.com では、Sun が提供しているオンラインマニュアルを参照することができます。マニュアルのタイトルや特定の主題などをキーワードとして、検索をおこなうこともできます。
このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。
表 P-1 表記上の規則
字体または記号 |
意味 |
例 |
---|---|---|
AaBbCc123 |
コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、コード例を示します。 |
.login ファイルを編集します。 ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。 system% |
AaBbCc123 |
ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力と区別して示します。 |
system% su password: |
AaBbCc123 |
変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 |
ファイルを削除するには、rm filename と入力します。 |
『 』 |
参照する書名を示します。 |
『コードマネージャ・ユーザーズガイド』を参照してください。 |
「 」 |
参照する章、節、ボタンやメニュー名、強調する単語を示します。 |
第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 |
¥ |
枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を超える場合に、継続を示します。 |
sun% grep `^#define ¥ XV_VERSION_STRING' |
ただし AnswerBook2TM では、ユーザーが入力する文字と画面上のコンピュータ出力は区別して表示されません。
コード例は次のように表示されます。
[ ] は省略可能な項目を示します。上記の例は、filename は省略してもよいことを示しています。
| は区切り文字 (セパレータ) です。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定します。
キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: Shift キーを押します)。ただし、キーボードによっては Enter キーが Return キーの動作をします。
ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、Ctrl-D は Control キーを押したまま D キーを押すことを意味します。
このマニュアルでは、英語環境での画面イメージを使っています。このため、実際に日本語環境で表示される画面イメージとこのマニュアルで使っている画面イメージが異なる場合があります。本文中で画面イメージを説明する場合には、日本語のメニュー、ボタン名などの項目名と英語の項目名が適宜、併記されています。
このマニュアルでは、「IA」という用語は、Intel 32 ビットのプロセッサアーキテクチャを意味します。これには、Pentium、Pentium Pro、Pentium II、Pentium II Xeon、Celeron、Pentium III、Pentium III Xeon の各プロセッサ、および AMD、Cyrix が提供する互換マイクロプロセッサチップが含まれます。
このマニュアル中の手順を実行したり、例 (コマンド入力、コードなど) を使用する場合には、二重引用符 (")、左一重引用符 (`)、右一重引用符 (') をそれぞれ間違えないように注意してください。
このマニュアル中で「Return キー」と表記しているキーは、キーボードによっては「Enter キー」という名前になっていることがあります。
/sbin、/usr/sbin、/usr/bin、/etc ディレクトリにあるコマンドについては、このマニュアルでは絶対パス名で表記していない場合があります。
このマニュアル中の例は、SunOS 5.8 ソフトウェアが標準的にインストールされていることを前提としています。つまり、バイナリ互換パッケージがインストールされていることや /usr/ucb が検索パスに設定されていることは、前提としていません。
/usr/ucb を検索パスに設定する場合は、パスの一番最後に追加してください。ps コマンドや df コマンドなどは、SunOS コマンドと /usr/ucb コマンドとで形式やオプションがそれぞれ異なります。