Solaris のシステム管理 (第 1 巻)

ユーザーアカウントとグループとは

基本的なシステム管理作業の 1 つに、サイトにおいて各ユーザーにユーザーアカウントを設定することがあります。通常のユーザーアカウントには、ユーザーがシステムにログインして、システムを (スーパーユーザーのパスワードを知らなくても) 使用するのに必要な情報が含まれます。ユーザーアカウント情報は、主に次の 4 つで構成されています。

構成要素 

説明 

ユーザー名 

ユーザーがシステムにログインするのに使用する名前 (ログイン名とも呼ばれる) 。

パスワード 

ユーザーがシステムにアクセスするために、ユーザー名とともに入力しなければならない文字の組み合わせ。

ユーザーのホームディレクトリ 

通常、ログイン時にユーザーのディレクトリになるディレクトリ。通常ホームディレクトリには、そのユーザーの大部分のファイルが含まれます。

ユーザー初期設定ファイル 

ユーザーがシステムにログインするときに、そのユーザーの動作環境の設定を制御するシェルスクリプト。

また、ユーザーアカウントを設定するとき、ユーザーをあらかじめ定義されたユーザーグループに追加できます。グループは一般に、 (ファイルまたはディレクトリへのグループアクセス権を使用して) グループ内のユーザーだけがファイルとディレクトリにアクセスできるようにするために使用されます。

たとえば、ごく少数のユーザーだけにアクセスさせたい最高機密のファイルを入れるディレクトリを作成できます。極秘プロジェクトに携わるユーザーを含む topsecret という名前のグループを設定し、最高機密ファイルの読み取り権を topsecret グループに対して設定します。こうすれば、topsecret グループ内のユーザーだけが、ファイルを読み取ることができます。

また、システム管理の役割に対応した、特別な種類のユーザーアカウントもあります。このユーザーアカウントは、指定したユーザーに特別な特権を与えるときに使用します。詳細は、『Solaris のシステム管理 (第 2 巻)』の「役割によるアクセス制御」を参照してください。