Solaris のシステム管理 (第 1 巻)

デバイス管理における新機能

この節では、Solaris 8 のデバイス管理における新機能について説明します。

SCSI と PCI のホットプラグ機能

cfgadm コマンドは今回のリリースで更新され、SPARC システムと IA システムの両方において、サポートされる SCSI と PCI のコントローラに SCSI と PCI のホットプラグ機能を提供するようになりました。

ホットプラグ機能とは、システムの動作中に、システム構成要素を物理的に取り付け、取り外し、または交換できる機能のことです。動的再構成 (特定の SPARC サーバー上で利用可能) を使用すると、システムが動作しているときでも、サービスプロバイダはホットプラグ可能なシステム入出力ボードを取り外したり交換したりできます。したがって、システムをリブートする手間が省けます。また、交換するボードがすぐに入手できない場合、システム処理を継続したまま、システム管理者は動的再構成を使用して障害の発生したボードをシャットダウンできます。

動的再構成が自分のシステムでサポートされているかどうかについては、SPARC ハードウェアメーカーのマニュアルを参照してください。PCI コントローラがホットプラグ機能をサポートしているかどうかを確認するには、『Solaris 8 ハードウェア互換リスト (Intel 版)』を参照してください。

第 25 章「デバイスの構成」では、cfgadm コマンドで SCSI または PCI のコントローラをホットプラグする方法について説明しています。

改良されたデバイス構成 (devfsadm)

devfsadm コマンドによって、ディレクトリ /dev/devices 内にある特殊デバイスファイルを管理します。デフォルトでは、devfsadm はすべてのドライバをシステムに読み込み、可能な限りのデバイスに接続しようとします。そして、デバイスファイルを /devices ディレクトリに作成し、論理リンクを /dev ディレクトリに作成します。/dev/devices のディレクトリの管理に加えて、devfsadmpath_to_inst(4) インスタンスデータベースも保守します。

以前の Solaris リリースでは、デバイス構成は drvconfig と 5 つのリンクジェネレータが処理していました。つまり、drvconfig/devices ディレクトリ内にある物理デバイスエントリを管理し、5 つのリンクジェネレータ (devlinksdiskstapesportsaudlinks) は /dev ディレクトリ内にある論理デバイスエントリを管理していました。

これらのユーティリティはホットプラグ可能なデバイスを認識せず、複数のインスタンスを持つデバイスにも十分に対応できません。互換性を保つために、drvconfig と 5 つのリンクジェネレータは devfsadm ユーティリティへのシンボリックリンクになっています。ホットプラグ可能なデバイスについては、第 25 章「デバイスの構成」を参照してください。

動的再構成イベントに応答する、再構成ブート処理とディレクトリ /dev および /devices の更新は、両方とも devfsadmd (devfsadm コマンドのデーモン版) によって処理されます。このデーモンはシステムブート時に /etc/rc* スクリプトから実行されます。

devfsadmd は再構成イベントによるデバイス構成の変化を自動的に検出するため、このコマンドを対話的に実行する必要はありません。

詳細は、devfsadm(1M) のマニュアルページを参照してください。