Solaris のシステム管理 (第 1 巻)

ファイルシステムの完全性

UFS ファイルシステムは、一連の内部テーブルを基にして使用済み i ノード、使用可能ブロックを特定します。これらの内部テーブルがディスク上のデータと正しく同期していないと、整合性が失われ、ファイルシステムの修復が必要になります。

次のような原因でオペレーティングシステムが異常終了すると、ファイルシステムが損傷したり、整合性が失われたりすることがあります。

ファイルシステムの破損は重大ですが、あまり頻繁に起きるものではありません。システムをブートすると、ファイルシステムの整合性チェックが (fsck プログラムを使用して) 自動的に実行されます。ほとんどの場合は、このファイルシステムのチェックによって問題が修復されます。

この章では、fsck プログラムでチェックされ修復される問題と fsck のオプションについて説明します。また、次の作業についても説明します。

fsck のエラーメッセージについては、『Solaris のシステム管理 (第 2 巻)』の「ファイルシステムで発生する問題の解決」を参照してください。

fsck プログラムは、ファイルシステム上に配置されているが参照不可能なファイルとディレクトリを lost+found ディレクトリに入れます。各ファイルの i ノード番号が名前として割り当てられます。lost+found ディレクトリが存在しない場合は、fsck によって作成されます。lost+found ディレクトリ内の領域が足りない場合は、そのサイズが fsck によって拡張されます。