Solaris のシステム管理 (第 1 巻)

個々のファイルとディレクトリの復元

バックアップを実行すると、ファイルやディレクトリは、それらが含まれるファイルシステムからの相対的な位置に保存されます。ファイルとディレクトリを復元するときは、ufsrestore が現在の作業ディレクトリにファイル階層を作成し直します。たとえば、/export/doc/books ディレクトリ (/export はファイルシステムです) からバックアップされたファイルは、/export からの相対的な位置に保存されます。つまり、docs ディレクトリ内の book1 ファイルは、テープ上で ./doc/books/book1 として保存されます。後で、./doc/books/book1 ファイルを /var/tmp ディレクトリに復元する場合、そのファイルは /var/tmp/doc/books/book1 に復元されます。

個別のファイルやディレクトリを復元するときには、/var/tmp などの一時的な場所に復元するのが賢明です。ファイルやディレクトリを確認したら、それを適当な位置に移動させてもかまいません。個別のファイルやディレクトリはそれぞれ元の位置に復元できます。その場合には、新しいファイルをバックアップテープからの古いバージョンで上書きしないかどうか確かめてください。


注 -

一時的な場合でも、/tmp ディレクトリにファイルを復元してはなりません。一般的に /tmp ディレクトリは、TMPFS ファイルシステムとしてマウントされており、 TMPFS は ACL などの UFS ファイルシステム属性をサポートしていません。