Solaris のシステム管理 (第 1 巻)

ファイルとファイルシステムをテープにコピーする

paxtarcpio コマンドを使用すると、ファイルとファイルシステムをテープにコピーできます。どのコマンドを選択するかは、コピーする目的に応じて異なります。3 つのコマンドはすべて raw デバイスを使用するので、使用する前にテープ上でファイルシステムをフォーマットまたは作成する必要はありません。

表 46-3 cpiopaxtar コマンドの長所と短所

コマンド 

機能 

長所 

短所 

pax

POSIX 準拠システムとの間でファイルをコピーする場合、または複数のテープボリュームが必要となる、ファイル、特殊ファイル、またはファイルシステムのコピー 

  • POSIX 準拠システムに対する可搬性は、tar コマンドや cpio コマンドよりもよい。

  • マルチベンダーサポート

tar コマンドの欠点を参照。ただし、pax は、複数のテープボリュームを作成できる。

tar

1 本のテープへの、ファイルやディレクトリのサブツリーのコピー 

  • ほとんどの UNIX オペレーティングシステムで利用できる。

  • パブリックドメインバージョンもすぐに利用できる。

  • ファイルシステムの境界を認識しない。

  • 絶対パス名の長さが 255 文字を超えることができない。

  • 空のディレクトリや特殊ファイル (デバイスファイルなど) をコピーしない。

  • 複数のテープボリュームを作成する場合は使用できない。

cpio

SunOS 5.8 システムから SunOS 4.0/4.1 システムにファイルをコピーする場合、または複数のテープボリュームが必要となる、ファイル、特殊ファイル、またはファイルシステムのコピー 

  • tar よりも効率的に、データをテープに書き込む。

  • 復元時、テープ中の不良箇所をスキップする。

  • 異なるシステムタイプ間の可搬性のために、異なるヘッダーフォーマット (tarustarcrcodcbar) でファイルを書き込むオプションを提供する。

  • 複数のテープボリュームを作成する。

 

使用するテープドライブとデバイス名は、各システムのハードウェアと構成によって異なります。テープドライブとデバイス名についての詳細は、「使用する媒体の選択」を参照してください。