Solaris のシステム管理 (第 1 巻)

例 - サーバーのバックアップスケジュール

表 42-13 に、ユーザーがプログラム開発や文書作成のようなファイル集約型の作業を実行する小型ネットワーク上の、使用頻度の高いファイルサーバーのバックアップ方針の例を示します。この例は、バックアップ期間が日曜日に始まり、1 週 7 日間を 4 週間行うものと想定しています。

表 42-13 サンプルサーバーのバックアップスケジュール

ディレクトリ 

日付 

レベル 

テープ名 

/

第 1 日曜日 

n 本のテープ

/usr

第 1 日曜日 

"  

/export

第 1 日曜日 

"  

/export/home

第 1 日曜日 

"  

 

第 1 月曜日 

 

第 1 火曜日 

 

第 1 水曜日 

 

第 1 木曜日 

 

第 1 金曜日 

 

第 1 土曜日 

/

第 2 日曜日 

n 本のテープ

/usr

第 2 日曜日 

"  

/export

第 2 日曜日 

"  

/export/home

第 2 日曜日 

"  

 

第 2 月曜日 

 

第 2 火曜日 

H  

 

第 2 水曜日 

I  

 

第 2 木曜日 

J  

 

第 2 金曜日 

 

第 2 土曜日 

L  

/

第 3 日曜日 

n 本のテープ 

/usr

第 3 日曜日 

"  

/export

第 3 日曜日 

"  

/export/home

第 3 日曜日 

"  

 

第 3 月曜日 

 

第 3 火曜日 

N  

 

第 3 水曜日 

 

第 3 木曜日 

 

第 3 金曜日 

 

第 3 土曜日 

/

第 4 日曜日 

n 本のテープ 

/usr

第 4 日曜日 

"  

/export

第 4 日曜日 

"  

/export/home

第 4 日曜日 

"  

 

第 4 月曜日 

 

第 4 火曜日 

 

第 4 水曜日 

 

第 4 木曜日 

 

第 4 金曜日 

 

第 4 土曜日 

このスケジュールでは、4 n 本のテープ (ルート (/)、/usr/export/export/home の 4 回の完全バックアップに必要な本数) に加えて、 /export/home の増分バックアップ用に 24 本のテープを使用します。このスケジュールは、増分バックアップごとに 1 本ずつテープを使用し、それを 1 カ月は保存することを前提としています。

このスケジュールの機能は次のとおりです。

  1. 日曜日ごとに、ルート(/)、/usr/export/export/home の完全バックアップ (レベル 0) を実行します。レベル 0 のテープを少なくとも 3 カ月は保存します。

  2. 月の第 1 月曜日に、テープ A を使用して /export/home のレベル 9 のバックアップを実行します。ufsdump は下のレベルのバックアップ、この場合は日曜日に実行したレベル 0 のバックアップ以降に変更があったすべてのファイルをコピーします。

  3. 月の第 1 火曜日に、テープ B を使用して /export/home のレベル 9 のバックアップを実行します。この場合も、ufsdump は、下のレベル、つまり日曜日のレベル 0 のバックアップ以降に変更があったすべてのファイルをコピーします。

  4. 第 1 水曜日に、テープ C を使用してレベル 5 のバックアップを実行します。ufsdump は日曜日以降に変更があったすべてのファイルをコピーします。

  5. 木曜日と金曜日には、テープ D と E を使用してレベル 9 のバックアップを実行します。ufsdump は、下のレベルのバックアップ、つまり水曜日のレベル 5 のバックアップ以降に変更があったすべてのファイルをコピーします。

  6. 月の第 1 土曜日に、/export/home のレベル 5 のバックアップを実行します。このバックアップでは、下のレベルのバックアップ、この場合は日曜日に実行したレベル 0 のバックアップ以降に変更があったすべてのファイルがコピーされます。テープを再利用する場合は、テープ A から F までを次の 4 週間の第 1 月曜日までは保存しておきます。

  7. 次の 3 週間は、テープ G から L までと、日曜日のレベル 0 用に 4 n 本のテープを使用して、手順 1 から 6 までを繰り返します。

  8. 4 週ごとに、レベル 0 用に新しいテープ 1 組と、増分バックアップ用のテープ A から X までを再利用して、手順 1 から 7 までを繰り返します。レベル 0 のテープは、3 カ月後に再利用できるようになります。

    このスケジュールでは、各ファイルを 1 カ月間で段階別に保存できます。多数のテープが必要ですが、テープのライブラリを確実に用意できます。テープの本数を減らすには、テープ A から F までを毎週再利用します。