Solaris のシステム管理 (第 1 巻)

最小空き容量

「最小空き容量」とは、ファイルシステムの作成時に予約分として保持されるディスク容量です。デフォルトの予約分は、((64M バイト/パーティションサイズ) * 100) で算出し、その値を最も近い整数に切り捨てます。値は、ディスク容量の 1% から 10% の範囲に制限されます。ファイルシステム内の空き容量が少なくなるほど、アクセス速度が低下するので、空き容量は重要です。十分な空き容量があれば、UFS ファイルシステムは効率よく動作します。ファイルシステムがいっぱいになって、使用可能なユーザー領域を使い果たすと、スーパーユーザー以外は予約済みの空き容量にアクセスできなくなります。

df などのコマンドは、最小空き容量として割り当て済みの分を差し引いて、ユーザーに使用可能な容量をパーセントで表示します。コマンドでファイルシステム内のディスク容量の 100 パーセント以上が使用中であると表示される場合は、予約分の一部がルートに使用されています。

ユーザーに制限を適用する場合に、各ユーザーが使用可能な容量には予約分の空き容量は含まれません。tunefs コマンドを使用すると、既存のファイルシステムの最小空き容量の値を変更できます。