NFS ファイルシステム資源をマウントするには、自動マウント (または AutoFS) というクライアント側のサービスを使用します。このサービスによってシステムは、ユーザーがアクセスしたときに自動的に NFS 資源をマウントまたはマウント解除できます。ユーザーがファイルシステム内のファイルを使用している間、ファイルシステム資源はマウントされたままになります。資源が一定の時間アクセスされなかった場合、資源は自動的にマウント解除されます。
次に、AutoFS の特徴を示します。
システムブート時に NFS 資源をマウントする必要がないために、ブート時間が短くなります。
NFS 資源をマウントまたはマウント解除するために、スーパーユーザーのパスワードを知っている必要はありません。
NFS 資源は使用されるときにだけマウントされるために、ネットワークトラフィックが軽減されます。
AutoFS サービスは automount(1M) によって初期化され、automount はシステムのブート時に自動的に実行されます。自動マウントデーモン automountd(1M) は永続的に動作し、必要に応じて NFS ファイルシステムをマウントまたはマウント解除します。デフォルトでは、Solaris オペレーティング環境は /home を自動マウントします。
AutoFS は、ネームサービスに指定されたファイルシステムに対して動作します。この情報は、NIS、NIS+、またはローカルの /etc 内のファイルで管理されます。AutoFS を使用すると、同じファイルシステムを提供するサーバーを指定できます。このような方法では、1 つのサーバーがダウンしても、AutoFS が他のマシンからファイルシステムをマウントすることができます。各サーバーに優先度を示す数値を割り当てることによって、マップ内の各資源ごとにサーバーの優先順位を指定できます。
AutoFS の設定と管理方法については、『Solaris のシステム管理 (第 3 巻)』を参照してください。