Solaris のシステム管理 (第 1 巻)

group ファイルのフィールド

group ファイルの各フィールドはコロンで区切られ、次のような情報が入っています。

group-name:group-password:gid:user-list

具体的な例は次のようになります。

bin::2:root,bin,daemon

表 2-9group ファイルの各フィールドについて説明します。

表 2-9 group ファイルの各フィールド

フィールド名 

説明 

group-name

グループに付けられた名前。たとえば、大学の化学部のメンバーであれば chem などと指定する。グループ名に許される最大文字数は 9 文字。

group-password

通常は空のままか、アスタリスクを指定する。グループパスワードフィールドは初期バージョンの UNIX のなごりで、グループにパスワードがある場合、newgrp コマンドはユーザーにグループパスワードを入力するよう求める。ただし、グループパスワードを設定するためのユーティリティはない。

gid

グループ GID 番号。ローカルシステムで固有にする必要があり、組織全体を通じても固有であることが望ましい。GID 番号は 0 から 60002 までの範囲の整数で指定する。ただし、100 未満の番号はシステムのデフォルトグループアカウント用に予約されている。したがって、ユーザー定義グループの範囲は 100 から 60000 (60001 と 60002 はそれぞれ nobodynoaccess に割り当てられている)。

user-list

カンマで区切られたユーザー名のリスト。ユーザーの二次グループメンバシップを表す。各ユーザーは最高 16 個までの二次グループに所属できる。

デフォルトの group ファイル

Solaris のデフォルトの group ファイルには、システム全体に有効なタスク (印刷、ネットワーク管理、電子メールなど) をサポートする次のようなシステムグループが記述されています。これらの多くのエントリは、passwd ファイルのエントリに対応しています。


root::0:root
other::1:
bin::2:root,bin,daemon
sys::3:root,bin,sys,adm
adm::4:root,adm,daemon
uucp::5:root,uucp
mail::6:root
tty::7:root,tty,adm
lp::8:root,lp,adm
nuucp::9:root,nuucp
staff::10:
daemon::12:root,daemon
sysadmin::14:root
nobody::60001:
noaccess::60002:
nogroup::65534:
表 2-10 デフォルトの group ファイルのエントリ

グループ名 

グループ ID 

説明 

root

0

スーパーユーザーのグループ 

other

1

 

bin

2

システムバイナリの実行に関連する管理グループ 

sys

3

システムのログの記録や一時ディレクトリに関連する管理グループ 

adm

4

システムのログの記録に関連する管理グループ 

uucp

5

uucp 機能に関連するグループ 

mail

6

電子メールのグループ 

tty

7

tty デバイスに関連するグループ 

 

8

ラインプリンタのグループ 

nuucp

9

uucp 機能に関連するグループ 

staff

10

一般的な管理グループ 

daemon

12

デーモングループ 

sysadmin

14

Admintool と AdminSuite に関連する管理グループ 

nobody

60001

未承認の root ユーザーから要求を受信したときに NFS サーバーが割り当てる匿名グループ

noaccess

60002

 

nogroup

65534