Solaris のシステム管理 (第 2 巻)

SEAM コマンド

この節では、SEAM 製品に含まれているコマンドの一部を示します。

表 23-2 SEAM コマンド

ファイル名 

説明 

/usr/bin/kdestroy

Kerberos チケットを破棄する 

/usr/bin/kinit

Kerberos チケットを許可するチケットを取得およびキャッシュする 

/usr/bin/klist

現在の Kerberos チケットをリストする 

/usr/bin/kpasswd

Kerberos パスワードを変更する 

/usr/bin/ktutil

keytab 保守ユーティリティ 

/usr/sbin/gsscred

NFS サービスのための GSS-API トークンを生成および検証する 

share コマンドの変更

新しい SEAM コマンドの他に、Solaris 8 リリースには、share コマンドとともに使用する新しいセキュリティモードが含まれています。このモードは /etc/nfssec.conf ファイルに定義されます。share コマンドでは、次のセキュリティモードを使用できます。

krb5

Kerberos 認証を選択する。

krb5i

完全性機能付き Kerberos 認証を選択する。

krb5p

完全性機能とプライバシ機能付き Kerberos 認証を選択する。

share コマンドに複数のモードを指定すると、クライアントがセキュリティモードを指定していない場合は、指定した最初のモードがデフォルトで選択されます。クライアントがセキュリティモードを指定している場合は、指定したモードが使用されます。

Kerberos モードを使用したマウント要求が失敗すると、マウントはセキュリティモード none で完了します。この状態は、NFS クライアントの root プリンシパルが認証されない場合によく発生します。マウント要求が完了したとしても、ファイルが Kerberos で認証されない限り、ユーザーがこのファイルにアクセスすることはできません。ファイルシステムが Kerberos セキュリティモードを使用してマウントされていなくても、クライアントとサーバー間のトランザクションには Kerberos 認証が必要です。