Solaris のシステム管理 (第 2 巻)

バックアップ時の問題の解決

この節では、データをバックアップまたは復元するときのいくつかの基本的な問題の解決方法について説明します。

ファイルシステムのバックアップ中に、ルート (/) ファイルシステムがフルになる

ファイルシステムをバックアップしている際に、ルート (/) ファイルシステムがフルになります。このとき、媒体には何も書き込まれていなく、ufsdump コマンドは、媒体の 2 番目のボリュームを挿入するようにプロンプトを表示します。

エラーの原因 

問題の解決方法 

-f オプションに無効な宛先デバイス名を使用した場合、ufsdump コマンドはファイルをルート (/) ファイルシステムの /dev ディレクトリに書き込み、このファイルシステムをフルにする。たとえば、/dev/rmt/0 ではなく /dev/rmt/st0 と入力した場合、バックアップファイルはテープドライブには送信されず、/dev/rmt/st0 がディスクに作成される

/dev ディレクトリで ls -tl コマンドを使用して、新しく作成された異常に大きなファイルを特定して削除する

バックアップコマンドと復元コマンドが対応していることを確認する

ufsrestore を使用できるのは、ufsdump でバックアップしたファイルを復元するときだけです。tar でバックアップした場合は、tar で復元します。他のコマンドで書き込まれたテープを ufsrestore コマンドを使用して復元しようとした場合、テープが ufsdump フォーマットでないことを知らせるエラーメッセージが表示されます。

現在のディレクトリが間違っていないことを確認する

ファイルを復元する場合に、間違った場所に復元してしまうことがよくあります。ufsdump コマンドは、常にファイルシステムのルートからのフルパス名でファイルをコピーします。したがって ufsrestore を実行する前に、ファイルシステムのルートディレクトリに移動しなければなりません。それよりも下のディレクトリでファイルを復元すると、そのディレクトリの下に完全なファイルツリーが作成されます。

古い restore コマンドを使用して、複数ボリュームのフロッピーディスクのバックアップを復元する

dump コマンドで作成した複数ボリュームのフロッピーディスクのバックアップセットからファイルを復元するには、ufsrestore コマンドは使用できません。このようなファイルは、SunOS 4.1 システムで復元しなければなりません。

対話型コマンド

対話型コマンドを使用すると、次の例のような ufsrestore> プロンプトが表示されます。


# ufsrestore ivf /dev/rmt/0
Verify volume and initialize maps
Media block size is 126
Dump   date: Mon Jul 12 14:06:54 1999
Dumped from: the epoch
Level 0 dump of a partial file system on venus:/var/adm/acct
Label: none
Extract directories from tape
Initialize symbol table.
ufsrestore > 

ufsrestore> プロンプトでは、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』の「ufsdump コマンドと ufsrestore コマンド (参照情報)」にリストされているコマンドを使用して、ファイルの検索や、復元するファイルのリストを作成でき、ファイルを復元することもできます。