Solaris のシステム管理 (第 2 巻)

検索パスに関連する問題を解決する (コマンドが見つかりません)

「コマンドが見つかりません」というメッセージは、次のいずれかを示しています。

検索パスの問題を解決するには、コマンドが格納されているディレクトリのパス名を知る必要があります。

間違ったバージョンのコマンドが見つかってしまうのは、同じ名前のコマンドを持つディレクトリが検索パスにある場合です。この場合、正しいディレクトリが検索パスの後ろの方にあるか、まったく存在しない可能性があります。

現在の検索パスを表示するには、echo $PATH コマンドを使用します。


$ echo $PATH 
/home/kryten/bin:/sbin:/usr/sbin:/usr/bin:/usr/dt:/usr/dist/exe

間違ったバージョンのコマンドを実行しているかどうかを調べるには、which コマンドを使用します。


$ which maker 
/usr/doctools/frame5.1/bin/maker

注 -

which コマンドは、.cshrc ファイルの中のパス情報を調べます。.cshrc ファイルに which コマンドの認識する別名を定義している場合に、Bourne シェルか Korn シェルから which コマンドを実行すると、間違った結果が返される場合があります。正しい結果を得るために、which コマンドは C シェルで使用してください。Korn シェルの場合は、whence コマンドを使用します。


検索パスの問題を診断し、解決する方法

  1. 現在の検索パスを表示して、コマンドが入っているディレクトリがユーザーのパス内に存在しない (あるいはスペルが間違っている) ことを確認します。


    $ echo $PATH 
    
  2. 次の項目を確認します。

    • 検索パスは正しいか

    • 検索パスは、コマンドの他のバージョンが存在する他の検索パスの前に指定されているか

    • 検索パスのいずれかにコマンドが存在するか

    パスを修正する必要がある場合は、手順 3 に進みます。修正する必要がない場合は、手順 4 に進みます。

  3. 次の表に示すように、適切なファイルでパスを追加します。

    シェル 

    ファイル 

    構文 

    注 

    Bourne と Korn 

    $HOME/.profile

    $ PATH=$HOME/bin:/sbin:/usr/local/bin ...
    
    $ export PATH
    

    パス名はコロンで区切る 

    $HOME/.cshrc

    または  

    $HOME/.login

    hostname% set path=(‾bin /sbin /usr/local/bin ...)
    

    パス名は空白文字で区切る 

  4. 次のように、新しいパスを有効にします。

    シェル 

    パスが指定されているファイル 

    パスを有効にするコマンド 

    Bourne と Korn 

    .profile

    $ . ./.profile
    

    .cshrc

    hostname% source .cshrc
    

     

    .login

    hostname% source .login
    

  5. 次のコマンドを使用して、パスを確認します。


    $ which command
    

例 - 検索パスの問題を診断および修正する

この例は、which コマンドを使用して、mytool の実行可能ファイルが検索パス中のどのディレクトリにも存在しないことを示しています。


venus% mytool
mytool: Command not found
venus% which mytool
no mytool in /sbin /usr/sbin /usr/bin /etc /home/ignatz/bin  .
venus% echo $PATH
/sbin /usr/sbin /usr/bin /etc /home/ignatz/bin
venus% vi ‾.cshrc
(Add appropriate command directory to the search path)
venus% source .cshrc
venus% mytool

コマンドを見つけることができなかった場合は、マニュアルページでそのディレクトリパスを調べます。たとえば、lpsched コマンド (lp プリンタデーモン) を見つけることができなかった場合、lpsched(1M) のマニュアルページを調べると、そのパスが /usr/lib/lp/lpsched であることが解かります。