Solaris のシステム管理 (第 2 巻)

例 - ローカルシステムとリモートシステム間でファイルをコピーする (rcp)

次にいくつかの例を示します。最初の 2 つの場合はコピー元がリモートで、あとの 2 つの場合はローカルです。

次の例では、rcp はファイル letter.doc をリモートシステム pluto/home/jones ディレクトリから、ローカルシステム earth 上の作業用ディレクトリ (/home/smith) にコピーします。


earth(/home/smith): rcp pluto:/home/jones/letter.doc .
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rcp 操作はリモートログインせずに実行されるので、「.」はリモートシステムではなくローカルシステムに適用されます。

作業用ディレクトリはローカルユーザーのホームディレクトリになるので、「」も使用して指定できます。


earth(home/smith): rcp pluto:/home/jones/letter.doc ‾

次の例では、rcp を使用して同じ操作を実行しますが、リモートシステムにログインします。操作の流れは同じですが、リモートログインしているためパスを変更します。


earth(/home/smith): rlogin pluto
.
.
. 
pluto(/home/jones): rcp letter.doc ‾
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この例では、リモートログインを行うので「.」を使用できません。「.」はリモートシステムにのみ適用され、実際には rcp にファイルのコピーを作成するように指示します。ただし、「」は、リモートシステムにログインするときにも現在のユーザーのホームディレクトリを指します。

次の例で、rcp はファイル notice.doc をローカルシステム earth のホームディレクトリ (/home/smith) からリモートシステム pluto/home/jones ディレクトリにコピーします。


earth(/home/smith): rcp notice.doc pluto:/home/jones
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リモートファイル名が指定されていないので、ファイル notice.doc/home/jones ディレクトリに同じ名前でコピーされます。

次の例でも同じ操作を繰り返しますが、rcp はローカルシステム上の別の作業用ディレクトリ (/tmp) から入力されます。現在のユーザーのホームディレクトリを指すために「」記号が使われているので注意してください。


earth(/tmp): rcp ‾/notice.doc pluto:/home/jones

次の例では、リモートシステムにログインしている間に rcp を使用して前記の例と同じ操作を実行します。操作の流れは同じですが、パスはリモートログインを考慮して変更されます。


earth(/home/smith): rlogin pluto
.
.
. 
pluto(/home/jones): rcp ‾/notice.doc .
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この例では、現在のユーザーのホームディレクトリがローカルシステム上にあっても、「」を使用して指定できます。ユーザーはリモートシステムにログインしているので、「.」はリモートシステム上の作業用ディレクトリを指します。次の構文を使用しても同じ操作を実行します。


pluto(/home/jones): rcp earth:/home/smith/notice.doc /home/jones