Solaris のシステム管理 (第 2 巻)

ASET 環境変数

表 24-2 に ASET 環境変数と各変数で指定する値を示します。

表 24-2 ASET 環境変数とその意味

環境変数 

指定内容 

ASETDIR (以下を参照)

ASET の作業ディレクトリ 

ASETSECLEVEL (以下を参照)

セキュリティレベル 

PERIOD_SCHEDULE

定期的なスケジュール 

TASKS

実行するタスク 

UID_ALIASES

別名ファイル 

YPCHECK

チェックを NIS と NIS+ まで拡張する 

CKLISTPATH_LOW

低セキュリティ用のディレクトリリスト 

CKLISTPATH_MED

中セキュリティ用のディレクトリリスト 

CKLISTPATH_HIGH

高セキュリティ用のディレクトリリスト 

次に示す環境変数は、ファイル /usr/aset/asetenv に入っています。ASETDIR 変数と ASETSECLEVEL 変数はオプションで、aset コマンドを使用してシェルからでなければ設定できません。他の環境変数は、ファイルを編集して設定できます。次に、各変数について説明します。

ASETDIR 変数

ASETDIR は、ASET の作業ディレクトリを指定します。

C シェルから次のように入力します。


% setenv ASETDIR pathname 

Bourne シェルまたは Korn シェルからは、次のように入力します。


$ ASETDIR=pathname
$ export ASETDIR

pathname を ASET 作業ディレクトリの完全パス名に設定してください。

ASETSECLEVEL 変数

ASETSECLEVEL は、ASET タスクが実行されるセキュリティレベルを指定します。

C シェルから次のように入力します。


% setenv ASETSECLEVEL  level

Bourne シェルまたは Korn シェルから、次のように入力します。


$ ASETSECLEVEL=level 
export ASETSECLEVEL

上記のコマンドで、level を次のいずれかに設定できます。

low

低セキュリティレベル 

med

中セキュリティレベル 

high

高セキュリティレベル 

PERIODIC_SCHEDULE 変数

PERIODIC_SCHEDULE の値の形式は、crontab ファイルと同じです。変数の値は二重引用符で囲んだ 5 つのフィールドからなる文字列として指定します。各フィールドは空白文字 1 つで区切ってください。


"minutes hours day-of-month month day-of-week"
表 24-3 Periodic_Schedule 変数の値

変数 

値 

minutes hours

開始時刻を分 (0-59) と時間 (0-23) で指定します。 

day-of-month

ASET を実行する日付を 1 から 31 までの値で指定します。 

month

ASET を実行する月を 1 から 12 までの値で指定します。 

day-of-week

ASET を実行する曜日を 0 から 6 までの値で指定します。この方式では、日曜日の値は 0 です。 

次の規則が適用されます。

PERIODIC_SCHEDULE 変数のデフォルトエントリでは、ASET が毎日午前 12:00 に実行されます。


PERIODIC_SCHEDULE="0 0 * * *"    

TASKS 変数

TASKS 変数は、ASET で実行されるタスクをリストします。デフォルトでは、7 つのタスクがすべてリストされます。


TASKS="env sysconfig usrgrp tune cklist eeprom firewall"

UID_ALIASES 変数

UID_ALIASES 変数は、別名ファイルを指定します。別名ファイルがあると、ASET は使用可能な複数の別名のリストをこのファイル内で照会します。形式は UID_ALIASES=pathname です。pathname は、別名ファイルの完全パス名です。

デフォルトは次のとおりです。


UID_ALIASES=${ASETDIR}/masters/uid_aliases

YPCHECK 変数

YPCHECK 変数は、システムテーブルをチェックするタスクを拡張して NIS または NIS+ テーブルを含めます。これはブール変数なので、true または false に設定できます。

デフォルトは false で、ローカルシステムテーブルがチェックされます。


YPCHECK=false

CKLISTPATH_level 変数

3 つのチェックリストパス変数は、チェックリストタスクでチェックされるディレクトリをリストします。次の変数定義はデフォルトで設定されていて、各種レベルの変数の関係を示しています。

CKLISTPATH_LOW=${ASETDIR}/tasks:${ASETDIR}/util:${ASETDIR}/masters:
/etc
CKLISTPATH_MED=${CKLISTPATH_LOW}:/usr/bin:/usr/ucb
CKLISTPATH_HIGH=${CKLISTPATH_MED}:/usr/lib:/sbin:/usr/sbin:/usr/ucblib

チェックリストパス環境変数の値は、シェルパス変数の値と同様で、ディレクトリ名がコロン (:) で区切られたリストです。等号 (=) を使用すると、変数名にその値を設定できます。