/var/adm/pacctn ファイル、または acct.h 形式の任意のファイルの内容は、acctcom プログラムを使用していつでも調べることができます。このコマンドを実行するときに、ファイルも標準入力も指定しなければ、acctcom は pacct ファイルを読み取ります。acctcom は、終了したプロセスに関する情報を示します (実行中のプロセスは ps コマンドで調べることができます)。acctcom のデフォルト出力は次に示す情報を示します。
コマンド名 (スーパーユーザー特権を使用して実行された場合は # 記号)
ユーザー
tty 名 (未知の場合は ? として表示)
開始時刻
終了時刻
実時間 (秒単位)
CPU 時間 (秒単位)
平均サイズ (K バイト単位)
acctcom にオプションを使用することにより、次の情報を得ることができます。
fork/exec フラグの状態 (exec を使用しない fork の場合は 1)
システム終了状態
hog 係数
合計 kcore 分
CPU 係数
転送文字数
読み取りブロック数
表 32-6 で acctcom のオプションを説明します。
表 32-6 acctcom のオプション
オプション |
説明 |
---|---|
-a |
選択したプロセスに関する特定の平均統計を表示する (統計は出力が記録された後に表示される) |
-b
|
ファイルを逆読みし、最後のコマンドから先に表示する (標準入力の読み込みには関係しない) |
-f |
fork/exec フラグおよびシステム終了状態カラムを出力する (出力は 8 進数) |
-h |
平均メモリーサイズに代えて hog 係数を表示する。hog 係数は、経過時間とプロセスが実行中に消費した合計 CPU 利用可能時間との比 (合計 CPU 利用時間/経過時間) |
-i |
入出力カウントを含むカラムを出力する |
-k |
メモリーサイズの代わりに、キロバイト/分ごとのコアサイズの合計値を表示する |
-m |
平均コアサイズ (デフォルト) を表示する |
-q |
平均統計だけを出力する。出力レコードは出力しない |
-r |
CPU 係数 (システム使用時間 / (システム使用時間 + ユーザー使用時間)) を表示する |
-t |
システムおよびユーザー CPU 時間を表示する |
-v |
出力からカラム見出しを除外する |
-C sec |
合計 (システム + ユーザー) CPU 時間が sec 秒を超えたプロセスだけを表示する |
-e time |
time 以前に存在したプロセスを hr[:min[:sec]] の書式で表示する |
-E time |
time 以前に開始されたプロセスを hr[:min[:sec]] の書式で表示する。同じ time を -S と -E の両方に使用すれば、そのときに存在していたプロセスを表示する |
-g group |
group に属しているプロセスだけを表示する |
-H factor |
factor を超えるプロセスだけを表示する。ただし、factor は「hog 係数」(-h オプションを参照) |
-I chars |
chars によって指定されるカットオフ数を超える文字数を転送したプロセスだけを表示する |
-l line |
端末 /dev/line に属しているプロセスだけを表示する |
-n pattern |
pattern 「+」が 1 回以上現れることを意味する以外は、一般的な正規表現に一致するコマンドだけを表示する |
-o ofile |
レコードを出力しないで、レコードを acct.h 形式で ofile にコピーする |
-O sec |
CPU システム時間が sec 秒を超えるプロセスだけを表示する |
-s time |
time 以後に存在したプロセスを hr[:min[:sec]] の書式で表示する |
-S time |
time 以後に開始されたプロセスを hr[:min[:sec]] の書式で表示する |
-u user |
user に属しているプロセスだけを表示する |