この作業には、次の問題解決の手順が含まれています。印刷要求をプリンタに出したのに何も印刷されない場合は、これらの手順を試してください。
ハードウェアをチェックする (「ハードウェアをチェックするには」を参照)
ネットワークをチェックする (「ネットワークをチェックするには」を参照)
LP 印刷サービスの基本機能をチェックする (「LP 印刷サービスの基本機能をチェックするには」を参照)
SunOS 5.8 または互換バージョンの印刷クライアントから SunOS 5.8 または互換バージョンのプリンタサーバーへの印刷をチェックする (「SunOS 5.8 または互換バージョンのクライアントから SunOS 5.8 または互換バージョンのプリンタサーバーへの印刷をチェックするには」を参照)
SunOS 5.8 または互換バージョンの印刷クライアントから SunOS 4.1 プリンタサーバーへの印刷をチェックする (「SunOS 5.8 または互換バージョンの印刷クライアントから SunOS 4.1 プリンタサーバーへの印刷をチェックするには」を参照)
SunOS 4.1 印刷クライアントからSunOS 5.8 または互換バージョンのプリンタサーバーへの印刷をチェックする (「SunOS 4.1 クライアントから SunOS 5.8 または互換バージョンのプリンタサーバーへの印刷をチェックするには」を参照)
該当する印刷クライアント/サーバーのケースに進む前に、上記のうち最初の 3 つの手順をリストの順に試してください。ただし、バナーページは印刷されるが他に何も印刷されない場合は、「出力が正しくない場合の問題を解決する方法」の説明に進んでください。
プリンタがコンセントに接続され、電源がオンになっているか確認します。
ケーブルがプリンタのポートと、システムまたはサーバーのポートに接続されているか確認します。
そのケーブルが正しいケーブルであり、欠陥がないことを確認します。
詳細は、ハードウェア付属のマニュアルを参照してください。プリンタがシリアルポートに接続されている場合は、そのケーブルでハードウェアフロー制御がサポートされることを確認してください。NULL モデムアダプタでは、この機能がサポートされます。表 42-1 は、NULL モデムケーブル用のピン構成を示しています。
表 42-1 NULL モデムケーブル用のピン構成
ホスト |
プリンタ |
|
---|---|---|
Mini-Din-8 |
25-Pin D-sub |
25-Pin D-sub |
- |
1(FG) |
1(FG) |
3(TD) |
2(TD) |
3(RD) |
5(RD) |
3(RD) |
2(TD) |
6(RTS) |
4(RTS) |
5(CTS) |
2(CTS) |
5(CTS) |
4(RTS) |
4(SG) |
7(SG) |
7(SG) |
7(DCD) |
6(DSR)、8(DCD) |
20(DTR) |
1(DTR) |
20(DTR) |
6(DSR)、8(DCD) |
ポート用のハードウェアスイッチが正しく設定されていることを確認します。
正しい設定については、プリンタのマニュアルを参照してください。
プリンタが動作するか確認します。
プリンタにセルフテスト機能が付いている場合は、その機能を使用します。プリンタのセルフテストの詳細は、プリンタのマニュアルを参照してください。
コンピュータとプリンタのボーレートの設定値が正しいか確認します。
コンピュータとプリンタのボーレートの設定値が一致しなければ、何も印刷されないことがあり、さらに正しく出力されない場合もあります。詳細は、「出力が正しくない場合の問題を解決する方法」を参照してください。
ping コマンドを使用すると、プリンタサーバーと印刷クライアント間のネットワークが正しく設定されているか確認できます。
print_client# ping print_server print_server is alive print_server# ping print_client print_client not available |
システムが動作していることを示すメッセージが表示されれば、そのシステムにアクセスできることがわかるので、そのネットワークは正常です。また、このメッセージは、入力したホスト (システム) 名が、ネームサーバーまたはローカルの /etc/hosts ファイルによって IP アドレスに変換されたことを示します。変換されていない場合は、IP アドレスを入力する必要があります。
「not available」というメッセージが表示された場合は、次の 3 点を確認してください。まず、NIS または NIS+ はサイトでどのように設定されているか。次に、プリンタサーバーと印刷クライアントが相互に通信できるように付加的な作業が必要か。最後に、サイトが NIS または NIS+ を実行していない場合、各印刷クライアントの /etc/hosts ファイルにプリンタサーバーの IP アドレスを入力し、プリンタサーバーの /etc/hosts ファイルにすべての印刷クライアントの IP アドレスを入力したか確認します。
(SunOS 5.0 - 5.1 プリンタサーバーのみ) listen ポートモニターが正しく構成されているか確認します。
(SunOS 5.0 - 5.1 プリンタサーバーのみ) ネットワーク待機サービスがプリンタサーバー上のポートモニターに登録されているか確認します。
この手順では、基本 LP 印刷サービス機能をチェックする例として、プリンタ luna を使用しています。
プリンタサーバー上と印刷クライアント上で、LP 印刷サービスが動作していることを確認します。
このコマンドは、LP スケジューラが動作しているか表示します。
# lpstat -r scheduler is running |
スケジューラが動作していない場合は、スーパーユーザーまたは lp になり、スケジューラを起動します。
# /usr/lib/lp/lpsched |
スケジューラを起動できない場合は、「LP 印刷サービスのハングを解除する方法」を参照してください。
プリンタサーバー上と印刷クライアント上で、プリンタが要求を受け付けていることを確認します。
プリンタが要求を受け付けていることを確認します。
# lpstat -a mars accepting requests since Jul 12 14:23 1999 luna not accepting requests since Jul 12 14:23 1999 unknown reason |
このコマンドは、LP システムがシステム用に構成された各プリンタの要求を受け付けているか確認します。
プリンタが要求を受け付けていない場合は、スーパーユーザーまたは lp になり、プリンタが印刷要求を受け付けるようにします。
# accept luna |
これで、指定したプリンタは要求を受け付けます。
プリンタサーバー上と印刷クライアント上で、プリンタが依頼された印刷要求の印刷で使用可能になっているか確認します。
プリンタが使用可能になっていることを確認します。
# lpstat -a mars accepting requests since Jul 12 14:23 1999 luna not accepting requests since Jul 12 14:23 1999 unknown reason |
このコマンドは、プリンタの状態に関する情報を表示します。プリンタ名を省略すると、システム用に設定されたすべてのプリンタに関する情報を表示できます。次の例は、使用不可になっているプリンタを示しています。
プリンタが使用不可になっている場合は、スーパーユーザーまたは lp になり、プリンタを使用可能にします。
# enable luna printer "luna" now enabled. |
指定したプリンタが、印刷要求の処理に使用可能になります。
プリンタサーバー上で、プリンタが正しいシリアルポートに接続されていることを確認します。
プリンタが正しいシリアルポートに接続されていることを確認します。
# enable luna printer "luna" now enabled. |
「device for printer-name」というメッセージは、ポートアドレスを示します。LP 印刷サービスの接続先のポートにケーブルが接続されているか確認します。ポートが正しければ、手順 5 に進みます。
スーパーユーザーまたは lp になります。
ポートを表すデバイスファイルのファイル所有権を変更します。
# chown lp device-filename |
このコマンドは、特殊なユーザー lp をデバイスファイルの所有者として割り当てます。このコマンドで、device-filename はデバイスファイル名です。
プリンタポートのデバイスファイルのアクセス権を変更します。
# chmod 600 device-filename |
このコマンドにより、root または lp だけがプリンタポートデバイスファイルにアクセスできます。
プリンタサーバー上と印刷クライアント上で、プリンタが正しく構成されていることを確認します。
プリンタが適切に設定されていることを確認します。
# lpstat -p luna -l printer luna is idle. enabled since Jul 12 14:24 1999. available Content types: postscript Printer types: PS |
上の例は、正しく設定された PostScript プリンタと、そのプリンタを印刷要求の処理に利用できることを示しています。プリンタタイプとファイル内容形式が正しい場合は、手順 6 に進みます。
プリンタタイプまたはファイル内容形式が違っている場合は、印刷クライアント上で、プリンタタイプを unknown に設定し、内容形式を any に設定してください。
# lpadmin -p printer-name -T printer-type -I file-content-type |
プリンタサーバー上で、プリンタがプリンタ障害のために待機していないことを確認します。
プリンタ障害のためにプリンタが待機していないことを確認します。
# lpadmin -p printer-name -F continue |
このコマンドは LP 印刷サービスに対して、障害のために待機していない場合は続行するように指示します。
プリンタを再び使用可能にすることによって、すぐに再試行させます。
# enable printer-name |
(省略可能) プリンタ障害をすぐに通知するように、LP 印刷サービスに指示します。
# lpadmin -p printer-name -A 'write root' |
このコマンドは LP 印刷サービスに対して、プリンタが障害を起こした場合に、root に書き込むというデフォルトポリシーを設定し、root がログインした端末にプリンタ障害メッセージを送るように指示します。これにより、問題を修正するときに障害通知をすぐに受け取れます。
プリンタがログイン端末として間違った設定になっていないか確認します。
ログイン端末としてプリンタを設定する作業では誤りをおかしやすいので、当てはまらないと思われる場合にも、必ず設定値を確認してください。
ps -ef コマンドの出力で、プリンタポートのエントリを探します。
# ps -ef root 169 167 0 Apr 04 ? 0:08 /usr/lib/saf/listen tcp root 939 1 0 19:30:47 ? 0:02 /usr/lib/lpsched root 859 858 0 19:18:54 term/a 0:01 /bin/sh -c ¥ /etc/lp/ interfaces/luna luna-294 rocket!smith "passwd¥n## # |
このコマンドの出力で、プリンタポートのエントリを探します。上の例で、ポート /dev/term/a はログイン端末として間違って設定されています。この行の最後に "passwd¥n## 情報が付いているのでわかります。ポートが正しく設定されている場合は、この手順の最後を飛ばしてください。
印刷要求を取り消します。
# cancel request-id |
このコマンドで、request-id は取り消したい印刷要求の要求 ID 番号です。
プリンタポートをログインデバイス以外のものとして設定します。
# lpadmin -p printer-name -h |
ps -ef コマンドからの出力をチェックして、プリンタポートがログインデバイスではなくなったことを確認します。
基本的な LP 印刷サービス機能に印刷時の問題の原因が見つからない場合は、次の中から該当するクライアント/サーバーの手順に進んでください。
まだチェックしていなければ、プリンタサーバー上で LP 印刷サービスの基本機能をチェックします。
基本機能をチェックする手順については、「LP 印刷サービスの基本機能をチェックするには」を参照してください。印刷クライアントから要求が出されたときに何も印刷されない原因を探す前に、プリンタがローカルで正しく動作することを確認してください。
まだチェックしていなければ、印刷クライアント上で LP 印刷サービスの基本機能をチェックします。
基本機能をチェックする手順については、「LP 印刷サービスの基本機能をチェックするには」を参照してください。クライアントからの要求が印刷される前に、印刷クライアント上で LP スケジューラが動作していなければならず、またプリンタが使用可能であり、要求を受け付けられる状態になっていなければなりません。
次の手順のほとんどは、root または lp としてログインして実行しなければなりません。
SunOS 5.1 印刷クライアント上でのみ、Admintool の「プリンタの変更 (Modify Printer)」ウィンドウを表示して、プリンタサーバーのタイプが s5 になっていることを確認します。
プリンタサーバーが正常に動作しているか確認します。
# lpstat -t luna scheduler is running system default destination: luna device for luna: /dev/term/a luna accepting requests since Jul 12 14:26 1999 printer luna now printing luna-314. enabled since Jul 12 14:26 1999. available. luna-129 root 488 Jul 12 14:32 # |
上記の例は、プリンタサーバーが動作していることを示します。
プリンタサーバーが正常に動作していない場合は、手順 1 に戻ります。
まだチェックしていなければ、印刷クライアント上で LP 印刷サービスの基本機能をチェックします。
手順については、「LP 印刷サービスの基本機能をチェックするには」を参照してください。
プリンタサーバーがアクセス可能であることを確認します。
プリンタサーバーの lpd デーモンが正しく構成されていることを確認します。
プリンタサーバー上でスーパーユーザーになり、lpc コマンドを入力します。
# /usr/etc/lpc lpc> |
LP 状態情報を取得します。
lpc> status luna: queuing is enabled printing is enabled no entries no daemon present lpc> |
状態情報が表示されます。上記の例では、デーモンは動作していないので再起動する必要があります。
lpc> restart luna |
デーモンが再起動されます。
lpd デーモンが起動されていることを確認します。
lpc> status |
lpc コマンドを終了します。
lpc> quit |
シェルプロンプトが再表示されます。
印刷クライアントがプリンタサーバーにアクセスできることを確認します。
SunOS 4.1 プリンタサーバー上に /etc/hosts.lpd ファイルがあるか確認します。
SunOS 4.1 プリンタサーバー上では、このファイルが存在する場合、着信印刷要求を受け付けられるかどうかの判定に使用されます。このファイルが存在しない場合、すべての印刷クライアントシステムがアクセスできるため、次の手順の b と c は省略します。
ファイルが存在する場合、印刷クライアントがファイルにリストされるか調べます。
ファイルにリストされていないクライアントシステムからの要求は、プリンタサーバーに転送されません。
クライアントがリストされていない場合は、印刷クライアントをファイルに追加します。
ここまでで特に問題点が見つからない場合、SunOS 4.1 システムは正常に設定され、機能しているはずです。
印刷クライアントからリモート lpd 印刷デーモンへの接続が正しく行われていることを確認します。
リモートプリンタサーバーが SunOS 4.1 システムとして正しく識別されていることを確認します。
まだチェックしていなければ、プリンタサーバー上で LP 印刷サービスの基本機能をチェックします。
手順については、「LP 印刷サービスの基本機能をチェックするには」を参照してください。印刷クライアントから要求が出されたときに何も印刷されない原因を調べる前に、プリンタがローカルで動作していることを確認してください。
次の手順で指定されているシステムでは、スーパーユーザーまたは lp としてログインする必要があります。
印刷クライアントにアクセスできることを確認します。
印刷クライアント上で、プリンタが正しく設定されていることを確認します。
# lpr -P luna /etc/fstab lpr: cannot access luna # |
このコマンドでは、印刷クライアントが動作しているか表示されます。上記の例は、印刷クライアントが正常に動作していないことを示します。
印刷クライアント上で lpd デーモンが動作していることを確認します。
印刷クライアント上で、プリンタサーバーを識別する printcap エントリが存在することを確認します。
プリンタが認識されていることを確認します。
# lpr -P mercury /etc/fstab lpr: mercury: unknown printer # |
上記の例は、指定したプリンタのエントリが /etc/printcap ファイルに入っていないことを示します。
エントリがない場合は、/etc/printcap ファイルを編集して次の情報を追加します。
printer-name|print-server:¥ :lp=:rm=print-server:rp=printer-name:br#9600:rw:¥ :lf=/var/spool/lpd/printer-name/log:¥ :sd=/var/spool/lpd/printer-name: |
次の例は、プリンタサーバー neptune に接続されたプリンタ luna のエントリを示します。
luna|neptune:¥ :lp=:rm=neptune:rp=luna:br#9600:rw:¥ :lf=/var/spool/lpd/luna/log:¥ :sd=/var/spool/lpd/luna: |
再試行を強制し、印刷クライアント lpd が待機状態になっていないことを確認します。
プリンタサーバーが動作し応答している場合、印刷クライアント lpd は再試行する前に待ち状態になっている可能性があります。
プリンタサーバーへの接続を調べます。
印刷クライアント上でスーパーユーザーになり、プリンタのログファイルを調べます。
# more /var/spool/lpd/luna/log |
通常、何も表示されません。
プリンタ状態ログも調べます。
# more /var/spool/lpd/luna/status waiting for luna to come up # |
接続が正常な場合は、プリンタサーバー上でプリンタサーバーが正しく設定されているかを確認します。
# lpstat -t scheduler is running system default destination: luna device for luna: /dev/term/a luna accepting requests since Jul 12 14:29 1999 luna accepting requests since Jul 12 14:29 1999 printer luna is idle. enabled since Jul 12 14:29 1999. available. # |
上記の例は、プリンタサーバーが起動され、動作していることを示します。
プリンタサーバーが動作していない場合は、先に進む前に 手順 1 に戻ってください。