fncopy コマンドは、FNS のコンテキストと属性を新しい FNS コンテキストにコピー、または変換するために使用できます。
-i および -o オプションを使用すると、あるエンタープライズレベルのネームサービスに基く FNS コンテキストを、異なるネームサービスに基くコンテキストにコピーできます。たとえば、NIS の上部で実行される FNS インストール環境があって、NIS サービスを NIS+ にアップグレードする場合、fncopy を使用すると、NIS+ を使って新しいコンテキストを作成できます。
次の点に注意してください。
古いコンテキストをコピー中の新しい FNS コンテキストが、そのターゲットネームサービスにすでに存在する場合は、新しいコンテキストと割り当てだけがコピーされる。これらのコンテキストは上書きも変更もされない
fncopy は、リンクに従わないが、名前に割り当てられた FNS リンクを、新しいコンテキストの名前空間にコピーする
オプション |
説明 |
---|---|
-i oldservice |
エンタープライズレベルの古い (入力) 基本ネームサービス。たとえば、-i nis は、古いサービスが NIS であることを指定する。指定できる値は、files、nis、nisplus |
-o newservice |
エンタープライズレベルの新しい (出力) ネームサービス。たとえば、-o nisplus は、新しいサービスが NIS+ であることを指定する。指定できる値は、files、nis、nisplus |
-f filename |
コピーされる FNS コンテキストのリストが入っているテキストファイル。-i および -o オプションを指定しない場合、コンテキストは、グローバル名を使用する識別子でなければならない |
oldcontext |
コピーされるコンテキスト名 |
newcontext |
作成先またはコピー先のコンテキスト名 |
たとえば、doc.com プリンタコンテキスト (およびサブコンテキスト) と割り当てを orgunit/east/doc.com にコピーするには、次のコマンドを実行します。
# fncopy .../doc.com/service/printer .../doc.com/orgunit/east/service/printer |
ファイル user_list に指定された NIS FNS ユーザーのコンテキストを、orgunit west/doc.com の NIS+ FNS ユーザーのコンテキストにコピーするには、次のコマンドを実行します。
# fncopy -i nis -o nisplus -f /etc/user_list thisorgunit/user org/doc.com/user |