Solaris の環境は、DNS 内で広域ネーミングシステムをフェデレートさせるための XFN 規格に準拠しています。DNS でネーミングシステムをフェデレートさせるには、DNS TXT リソースレコードに情報を入力する必要があります。この情報は、従属ネーミングシステム用に XFN リファレンスを作成するために使用されます。この付録では、これらの DNS TXT レコードの書式について説明します。
DNS をフェデレートさせるのに必要な手順については、第 26 章「FNS およびグローバルネーミングシステム」を参照してください。
DNS 内のレコードを操作する一般的な方法の詳細は、『DNS and BIND』(Paul Albitz & Cricket Liu 著 浅羽登志也/上水流由香 監訳、アスキー出版局、1995年) を参照してください。
XFN リファレンスのリファレンスタイプは、XFNREF というタグで始まる TXT レコードから作成します。書式は以下の通りです。
TXT "XFNREF rformat reftype" |
TXT の後に続く文字列の中にスペースが存在する場合、そのスペースを削除するか、文字列全体を引用符 (" ") で囲む必要があります。XFNREF、rformat、reftype という 3 つのフィールドは、スペース (スペースとタブ) で区切ります。rformat は、リファレンスタイプの識別子の書式を指定します。種類は次のとおりです。
reftype は、リファレンスタイプの識別子の内容を指定します。
XFNREF レコードが存在しない場合、リファレンスタイプはデフォルト設定により FN_ID_STRING を持つ XFN_SERVICE 識別子になります。2 つ以上の XFNREF TXT レコードが存在する場合、どのレコードが処理されるかは不定です。以下の TXT レコードはデフォルト設定の XFNREF と同じ働きをします。
TXT "XFNREF STRING XFN_SERVICE" |
XFN リファレンスのアドレス情報は、XFN 文字列を接頭語にしたタグを持つ TXT レコードを使用して作成します。1 つのリファレンスに複数のアドレスを指定することもできます。同じタグを持つレコードはグループにまとめられ、グループごとにハンドラに渡されます。各ハンドラは渡された TXT レコードからアドレス (複数あるいは、ない場合もある) を作成し、リファレンスに付加します。XFNREF タグの場合は特別で、リファレンスタイプを作成するためにだけ使用されるため、アドレス作成の過程からは除外されます。
TXT レコードのアドレスを指定する構文は次のとおりです。
XFNaddress_type_tag address_specific_data |
XFN_address_type_tag と address_specific_data という 2 つのフィールドは、スペース (スペースとタブ) で区切ります。address_type_tag は、address_specific_data に使用するハンドラを指定します。
TXT レコードには 1 レコードにつき 2 K バイトという文字の制限があります。特定のアドレスのデータが長すぎて 1 つの TXT レコードに格納できない場合は、以下のように複数の TXT レコードを使用できます。
TXT "XFNaddress_type_tag address_specific_data1" TXT "XFNaddress_type_tag address_specific_data2" |
特定のタグのハンドラが呼び出され、両方のデータが渡されます。ハンドラはこれら 2 行を解釈する順番を決定します。
TXT レコードの順番はあまり重要ではありません。異なるタグを持つ行がある場合、特定のタグのハンドラが呼び出される前に、同じタグを持つ行はグループにまとめられます。以下の例では、tag1 のハンドラは 2 つの文書行で呼び出され、tag2 のハンドラは 3 つの文書行で呼出されます。
TXT "XFNtag1 address_specific_data1" TXT "XFNtag2 address_specific_data2" TXT "XFNtag1 address_specific_data3" TXT "XFNtag2 address_specific_data4" TXT "XFNtag2 address_specific_data5" |
XFN リファレンスに使用できる TXT レコードの例を以下に示します。
「例 1」
TXT "XFNREF STRING XFN_SERVICE" TXT "XFNNISPLUS doc.com. nismaster 129.144.40.23" |
「例 2」
TXT "XFNREF OID 1.3.22.1.6.1.3" TXT "XFNDCE (1 fd33328c4-2a4b-11ca-af85-09002b1c89bb...)" |
以下は、従属ネーミングシステムがバインドされた DNS テーブルの例です。
$ORIGIN test.doc.com @ IN SOA foo root.eng.doc.com ( 100 ;; Serial 3600 ;; Refresh 3600 ;; Retry 3600 ;; Expire 3600 ;; Minimum ) NS nshost TXT "XFNREF STRING XFN_SERVICE" TXT "XFNNISPLUS doc.com. nismaster 129.144.40.23" nshost IN A 129.144.40.21 |