ほとんどの場合、新しいサブドメインは、新しいネットワークやマシンをつなぐか、既にあるドメインを分ける場合に作成されます。どちらの場合も、プロセスはよく似ています。
新しいサブドメインを計画したなら、以下に述べる手順に従って設定してください。
新しいサブドメイン内のすべてのマシンが DNS クライアントとして正しく設定されていることを確認してください。
既存のドメインから新しいサブドメインを分けている場合には、ほとんどのマシンは DNS クライアントの設定が既にされているはずです。新しいサブドメインを最初から構築している、あるいは既存のネットワークに新しいマシンを追加しているのであれば、正しく設定された resolv.conf ファイルと nsswitch.conf ファイルを各マシンにインストールする必要があります。これらのファイルについては、『Solaris ネーミングの設定と構成』を参照してください。
正しく設定されたブートファイルと DNS データファイルをサブドメインの主マスターサーバーにインストールします。
各サーバーに以下のファイルをインストールします (詳細は、『Solaris ネーミングの設定と構成』を参照)。
/etc/named.boot.
/var/named/named.ca.
/var/named/hosts.
/var/named/hosts.rev.
/var/named/named.local.
サーバーのホストファイルには、サブドメイン内の各マシン対するアドレス (A) レコードと場合によっては CNAME レコードが必要で、サーバーの hosts.rev ファイルはサブドメイン内の各マシンに対するポインター (PTR) レコードを持つ必要があることに注意してください。オプションの HINFO と WKS レコードも追加できます。
既存のドメインを分割しているなら、親ドメインのマスターサーバーの hosts ファイルと hosts.rev ファイルから新しいサブドメインのマシンのレコードを削除してください。
そのためには、今は新しいサブドメイン内にあるマシンの A レコードを古いドメインサーバーのホストファイルから削除します。また、同じマシンの PTR レコードを古いドメインサーバーの hosts.rev ファイルから削除します。移動するマシンのオプションの HINFO レコードと WKS レコードも、削除する必要があります。
もし、既存のドメインを分割しているなら、新しいサブドメイン名を、親ドメインのマスターサーバーのホストファイル内の CNAME レコードに追加します。
たとえば、aldebaran というマシンをファックスサーバーとして使っているとします。また親ドメインのサーバーのホストファイル内の CNAME レコードが次のとおりであるとします。
faxserver IN CNAME aldebaran |
新しい faxserver の CNAME レコードを aldebaran に対して、新しいサブドメインのマスターサーバーにあるホストファイル内に作成するのに加えて、下記のように aldebaran のサブドメインが含まれるように、親ドメインのホストファイル内の CNAME レコードも変更する必要があります。
faxserver IN CNAME aldebaran.manf.doc.com |
新しいサブドメインのサーバーの NS レコードを、親ドメインのホストファイルに追加します。
たとえば、親ドメインは doc.com で、manf.doc.com という新しいサブドメインを作成しているとします。また、この時 rigel というマシンを manf のマスターサーバーとして aldebaran を副マスターサーバーとして指定するとします。すると、以下に示すレコードを aldebaran の主マスターサーバーのホストファイルに追加することになります。
manf.doc.com 99999 IN NS rigel.manf.doc.com 99999 IN NS aldebaran.manf.doc.com |
新しいサブドメインのサーバーの A レコードを、親ドメインのホストファイルに追加します。
引き続き上の例で考えると、以下に示すレコードを doc.com の主マスターサーバーのホストファイルに追加することになります。
rigel.manf.doc.com 99999 IN A 1.22.333.121 aldebaran.manf.doc.com 99999 IN A 1.22.333.136 |
サブドメインのサーバー上の named を以下のように起動します。
# /usr/sbin/in.named |
コマンド行から in.named を実行する代わりに、リブートもできます。詳しくは、『Solaris ネーミングの設定と構成』を参照してください。