合成名とは、1 つ以上の原子名が連なったものをいいます。あるコンテキスト内の原子名は、サブコンテキストと呼ばれる同じタイプの別のコンテキストへのリファレンスに割り当てられます。サブコンテキスト内のオブジェクトは、合成名を使用してネーミングされます。合成名は、連続する各コンテキスト内の連続する各原子名を検索することによって解決されます。
これは、UNIX ユーザーのファイルネーミングモデルに似ています。この場合、ディレクトリはコンテキストにあたり、パス名は合成名として機能します。また、コンテキストは、ディレクトリと同様に「ツリー」構造で構成されます。合成名は階層名前空間を形成します。
次に例を示します。
「UNIX」の usr/local/bin
UNIX の原子名は、左から右へ順序付けられ、スラッシュ (/) によって区切られる。usr という名前は、local がバインドされているコンテキストにバインドされる。local という名前は、bin がバインドされているコンテキストにバインドされる
「DNS」の sales.doc.com
DNS の原子名は、右から左へ順序付けられ、ドット (.) によって区切られる。ドメイン名 com は、doc がバインドされているコンテキストにバインドされる。doc は、sales がバインドされているコンテキストにバインドされる
「X.500」の c=us/o=doc/ou=sales
X.500 の原子名は、属性タイプと属性値を構成する。原子名は、X.500 では、「相対識別名」と呼ばれる。この文字列表記で、X.500 原子名は、左から右に順序付けられ、スラッシュ (/) によって区切られる。属性タイプは、等号 (=) によって、属性値と区切られる。一般的に使用される属性タイプには省略名が定義される (たとえば、"c" は国名を表す)。国名 US は、docがバインドされているコンテキストにバインドされる。組織名 doc は、組織ユニット名 sales がバインドされているコンテキストにバインドされる