SunSHIELD 基本セキュリティモジュール

第 1 章 インストール

BSM は Solaris 2.3 以降の全リリースに含まれ、リリース媒体により提供されています。BSM は、簡単な 2 つのスクリプトのうちの一方を実行することにより使用可能、あるいは使用不可にできるようになっているので、別個にインストールする必要はありません。次のパッケージをインストールすれば、BSM ソフトウェアはすべて初期システムインストールに含まれます。

次の作業は root でのみ実行するようにします。また、コマンドはサーバまたはスタンドアロンシステム上でのみ実行するようにし、ディスクレスクライアント上では絶対に実行しないでください。

BSM を使用可能にする方法

root になったら、telinit を使用してシステムをシングルユーザモードにします (init(1M) のマニュアルページを参照)。

# /etc/telinit 1

シングルユーザモードでディレクトリを /etc/security ディレクトリに変更し、そこにある bsmconv スクリプトを実行します。このスクリプトによって、リブート後に標準 Solaris マシンが設定され、BSM が実行されます。

# cd /etc/security
# ./bsmconv

スクリプトを作成したら、 telinit コマンドを使ってシステムを停止させます。次に、システムをリブートし、マルチユーザ BSM システムとして起動します。

# /etc/telinit 6

注 -

bsmconv スクリプトは、Stop-A キーボードシーケンスでシステムをアボートさせる機能を停止するための行を、/etc/system に追加します。Stop-A キーボードシーケンスでシステムをアボートさせる機能を使用し続けたいときは、/etc/system 内の「set abort_enable = 0」という行をコメント化してください。


BSM を使用不可にする方法

BSM がある時点で不要になった場合は、bsmunconv スクリプトを実行して使用不可にできます (bsmconv(1M) のマニュアルページを参照)。 もう一度 telinit コマンドを使用してシステムをシングルユーザモードにしてからディレクトリを /etc/security ディレクトリに変更し、bsmunconv スクリプトを実行します。

# /etc/telinit 1
# cd /etc/security
# ./bsmunconv

BSM を使用不可にしたあと、システムをリブートし、マルチユーザ Solaris マシンとして起動します。

# /etc/telinit 6

注 -

bsmunconv スクリプトは、Stop-A キーボードシーケンスでシステムをアボートさせる機能を停止するための行を、/etc/system から削除します。bsmunconv スクリプトの実行後も Stop-A キーボードシーケンスでシステムをアボートさせる機能を停止させたままにしたいときは、/etc/system 内に「set abort_enable = 0」という行を再入力してください。


BSM とクライアントサーバの関係

Solaris 2.1 リリースでは、BSM を使用できるシステムにディスクレスクライアントを追加したり、そこから削除したりするために、別の 2 つの手順が必要でした。Solaris 2.3 リリースからは BSM が組み込まれているため、この 2 つの手順は必要ありません。BSM をサーバ上で使用可能にすると、そのサーバのすべてのクライアント上で BSM 機能が自動的に使用可能になります。