この章では、コンパイラ、リンカー、デバッガに関する 『Solaris 移行ガイド』の情報を更新します。
この章の内容は以下の通りです。
このリリースで追加された機能は以下の通りです。
実行時のリンク監査に対する拡張機能。詳細については 「リンカー」を参照してください。
/usr/lib から /usr/lib/secure へセキュリティ保護されたパス名の変更。詳細については 「リンカー」を参照してください。
$ISALIST トークンのサポート。詳細については 「リンカー」を参照してください。
coreadm コマンドによるコアファイル管理とデバッグ。詳細については 「デバッガ」を参照してください。
新しいアプリケーションデバッグツールの apptrace ユーティリティ。詳細については、「デバッガ」を参照してください。
今までのコンパイラ関連の変更については、『Solaris 移行ガイド』を参照してください。
http://www.sun.com で、Sun WorkShopTM と Sun Visual WorkShopTM のコンパイラ製品に関する最新情報を参照してください。
リンクエディタや実行可能なリンク形式 (ELF) に関する以前の情報については、『Solaris 移行ガイド』を参照してください。
Solaris 8 オペレーティング環境に追加されたリンカー関連の新しい機能は以下の通りです。
実行時リンク監査に対する拡張機能。実行時リンク監査ライブラリを起動するための補助手段は、リンクエディタのオプション -p と -P によって実行できます。実行時リンク監査の補助インタフェースの la_activity() と la_objsearch() も追加されました。詳細については、『リンカーとライブラリ』を参照してください。
セキュリティ保護されたパス名を /usr/lib から /usr/lib/secure へ変更。ファイルを読み込んでおくことができるセキュリティ保護されたディレクトリは現在、32 ビットオブジェクトについては /usr/lib/secure、64 ビット SPARCV9 オブジェクトについては /usr/lib/secure/sparcv9 です。詳細については、『リンカーとライブラリ』を参照してください。
$ISALIST トークンのサポート。新しい $ISALIST 動的文字列トークンによって、命令セット固有の依存をより柔軟に確立できます。詳細については、『リンカーとライブラリ』を参照してください。
SunOS リリース 4 と SunOS リリース 5.7 の ld オプションの比較については、『Solaris 移行ガイド』を参照してください。
リンクエディタの最新情報については、『リンカーとライブラリ』の「リンカー」を参照してください。
『Solaris 移行ガイド』または共用ライブラリに対する今までの変更についての情報を参照してください。
最新情報については、『リンカーとライブラリ』の「リンカーのクイックリファレンス」にある共用ライブラリの構築に関する節を参照してください。
動的実行可能ファイルと静的実行可能ファイルの作成に関する情報については、『Solaris 移行ガイド』を参照してください。例を使って、実行可能ファイル作成時の SunOS リリース 4 の -Bdynamic オプションおよび -Bstatic オプションの動作と、SunOS リリース 5 の -dy オプションおよび -dn オプションの動作とを比較します。
最新情報については、『リンカーとライブラリ』の「リンカーのクイックリファレンス」にある共用ライブラリの構築に関する節を参照してください。
SunOS リリース 5.7 ライブラリ検索パスの変更とバージョン番号付けに関する情報は、『Solaris 移行ガイド』を参照してください。
Solaris 8 オペレーティング環境には以下のものが採用されています。
柔軟なコアファイル命名規則と改良されたコアファイル保存を実現する coreadm コマンド。この coreadm コマンドを使うと、たとえばすべてのプロセスコアファイルを単一のディレクトリに配置するようなシステムを構成できます。特定のディレクトリにあるコアファイルは、Solaris のプロセスまたはデーモンが異常終了した場合でも実行できます。coreadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
実行可能オブジェクトからユーティリティが依存する共用ライブラリへの直接の呼び出しを監視することで、アプリケーションとシステムのレベルでのデバッグを可能にする apptrace ユーティリティ。apptrace が実現する呼び出しの監視は、今まで使用されていた sotruss コマンドよりも信頼できます。apptrace(1) のマニュアルページを参照してください。
デバッグの最新情報については、『Solaris のシステム管理 (第 2 巻)』の「Solaris ソフトウェアで発生する問題の解決」を参照してください。