標準インタフェースはトップレベル、中間レベル、エキスパートレベル、ボトムレベルの 4 つのレベルに分けられます。開発者はこれらのインタフェースを使用して、トランスポートの選択、エラーへの応答または要求の再送まで待つ時間の指定などのパラメータをかなり詳細に制御できます。
トップレベルのインタフェースも簡単に使用できますが、RPC 呼び出しを行う前にクライアントハンドルを作成し、RPC 呼び出しを受ける前にサーバーハンドルを作成しなければなりません。アプリケーションをすべてのトランスポート上で実行したい場合は、このインタフェースを使用してください。このルーチンの使用方法とコード例は、「トップレベルのインタフェース」を参照してください。
表 2-2 RPC ルーチン - トップレベル
ルーチン |
説明 |
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汎用のクライアント作成ルーチン。このルーチンは、サーバーの位置と、使用するトランスポートのタイプを指定して呼び出す |
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clnt_create() に似ているが、クライアントの作成を試みる間、各トランスポートタイプに許される最長時間を指定できる |
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指定したタイプのトランスポートすべてに対しサーバーハンドルを作成する。このルーチンは、使用するディスパッチ関数を svc_create() に指定して呼び出す |
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要求をサーバーに送信するための手続きをクライアント側から呼び出す |
RPC の中間レベルのインタフェースを使用すると、通信を詳細に制御できます。このような下位レベルのインタフェースを使用すると、プログラムは複雑になりますが、効率はよくなります。中間レベルでは特定のトランスポートを指定できます。このルーチンの使用方法とコード例は、「中間レベルのインタフェース」を参照してください。
表 2-3 RPC ルーチン - 中間レベル
ルーチン |
説明 |
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指定したトランスポートに対するクライアントハンドルを作成する |
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clnt_tp_create() に似ているが、許される最長時間を指定できる |
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指定したトランスポートに対するサーバーハンドルを作成する |
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要求をサーバーに送信するための手続きをクライアント側から呼び出す |
エキスパートレベルには、トランスポートに関連するパラメータを指定するさまざまなルーチンがあります。このルーチンの使用方法とコード例は、「エキスパートレベルのインタフェース」を参照してください。
表 2-4 RPC ルーチン - エキスパートレベル
ルーチン |
説明 |
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指定したトランスポートに対するクライアントハンドルを作成する |
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指定したトランスポートに対するサーバーハンドルを作成する |
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rpcb_set() で作成したマップを削除する |
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rpcbind デーモンを呼び出して、指定した RPC サービスのトランスポートアドレスを取り出す |
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指定したプログラム番号とバージョン番号のペアを、指定したディスパッチルーチンに関連付ける |
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svc_reg() で設定した関連付けを解除する |
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要求をサーバーに送信するための手続きをクライアント側から呼び出す |
ボトムレベルには、トランスポートを完全に制御することができるルーチンがあります。これらのルーチンについては、「ボトムレベルのインタフェース」を参照してください。
表 2-5 RPC ルーチン - ボトムレベル
ルーチン |
説明 |
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非接続型トランスポートを使用して、指定した遠隔プログラムに対する RPC クライアントハンドルを作成する |
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非接続型トランスポートを使用して、RPC サーバーハンドルを作成する |
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接続型トランスポートを使用して、指定した遠隔プログラムに対する RPC クライアントハンドルを作成する |
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接続型トランスポートを使用して、RPC サーバーハンドルを作成する |
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clnt_call() |