int mdb_getopts(int argc, const mdb_arg_t *argv, ...);
指定された引数の配列 (argv) からオプションとオプションの引数を構文解析し、処理します。argc パラメタは引数配列の長さを示します。この関数は各引数を順に処理し、処理できない引数があると停止して、その配列の索引を返します。すべての引数が正常に処理できた場合、argc を返します。
argc および argv パラメタの後に、mdb_getopts() 関数では、argv 配列に入る予定のオプションを記述した可変の引数リストを指定できます。各オプションはオプション文字 (char 引数)、オプションタイプ (uint_t 引数)、および次の表に示すような 1 つまたは 2 つのその他の引数で記述されます。オプション引数のリストの末尾は NULL 引数となっています。タイプは次のどれかです。
指定されたビットとフラグワードとの論理和をとります。このオプションは次のパラメタで記述されます。
char c, uint_t type, uint_t bits, uint_t *p
タイプが MDB_OPT_SETBITS であり、argv リストでオプション c が検出された場合、デバッガはポインタ p の参照する整数と指定ビットの論理和をとります。
指定されたビットをフラグワードから消去します。このオプションは次のパラメタで記述されます。
char c, uint_t type, uint_t bits, uint_t *p
タイプが MDB_OPT_CLRBITS であり、argv リストでオプション c が検出された場合、デバッガはポインタ p の参照する整数から指定ビットを消去します。
文字列引数をとります。このオプションは次のパラメタで記述されます。
char c, uint_t type, const char **p
タイプが MDB_OPT_STR であり、argv リストでオプション c が検出された場合、デバッガは c の後に続く文字列引数を指すポインタを p の参照しているポインタに格納します。
uintptr_t 引数をとります。このオプションは次のパラメタで記述されます。
char c, uint_t type, uintptr_t *p
タイプが MDB_OPT_UINTPTR であり、argv リストでオプション c が検出された場合、デバッガは c の後に続く整数引数を p の参照している uintptr_t に格納します。
uint64_t 引数をとります。このオプションは次のパラメタで記述されます。
char c, uint_t type, uint64_t *p
タイプが MDB_OPT_UINT64 であり、argv リストでオプション c が検出された場合、デバッガは c の後に続く整数引数を p の参照している uint64_t に格納します。
たとえば、次のソースコードは、dcmd で mdb_getopts() を使用して、opt_v 変数を TRUE に設定するブール型オプション "-v" 、および opt_s 変数に格納されている文字列引数をとるオプション "-s" をとる方法を示しています。
int dcmd(uintptr_t addr, uint_t flags, int argc, const mdb_arg_t *argv) { uint_t opt_v = FALSE; const char *opt_s = NULL; if (mdb_getopts(argc, argv, 'v', MDB_OPT_SETBITS, TRUE, &opt_v, 's', MDB_OPT_STR, &opt_s, NULL) != argc) return (DCMD_USAGE); /* ... */ }また、mdb_getopts() 関数は、呼び出し元に戻る前に無効なオプション文字やオプション引数の欠落を検出すると、自動的に警告メッセージを表示します。引数文字列および argv 配列のための記憶領域は、dcmd が完了するとデバッガにより自動的にガベージコレクションに集められます。