両方のスケジューリングクラスにはパラメタテーブル rt_dptbl(4) と ts_dptbl(4) が関連づけられています。これらのテーブルは、起動時にロード可能なモジュールを使用するか、実行中に dispadmin() を使用して設定できます。
実時間のための中心となるテーブルで、RT スケジューリングの設定項目を指定します。rt_dptbl(4) 構造体は、パラメタ配列の structrt_dpent_t 構造体から成り、これは n 個の優先順位レベルそれぞれに 1 つずつあります。ある優先順位レベルの設定項目は、配列内の i 番目のパラメタ構造体 rt_dptbl[i] によって指定されます。
パラメタ構造体は次のメンバーから成ります (/usr/include/sys/rt.h ヘッダファイルにも記述されています)。
rt_globpri |
この優先順位レベルに関係づけられているグローバルスケジューリング優先順位。rt_globpri の値は dispadmin() では変更できません。 |
rt_quantum |
このレベルのプロセスに割り当てられるタイムカンタムの長さを目盛で表したもの (「タイムスタンプ機能」を参照)。タイムカンタム値は、特定のレベルのプロセスのデフォルト値、つまり開始値です。実時間プロセスのタイムカンタムは、priocntl(1) コマンドまたは priocntl(2) システムコールによって変更できます。 |
実時間管理者は、いつでも config_rt_dptbl を再設定して、スケジューラの実時間部分の動作を変更できます。1 つの方法は、rt_dptbl(4) のマニュアルページの「REPLACING THE RT_DPTBL LOADABLE MODULE」の節で説明されています。
もう 1 つの方法は、dispadmin() コマンドを使用して、実行中のシステムで実時間パラメタテーブルを調査または変更する方法です。dispadmin() を実時間クラスで起動すると、カーネルの中心テーブルにある現在の config_rt_dptb1 内から現在の rt_quantum 値を取り出すことができます。現在の中心テーブルを上書きする際、dispadmin() への入力に使用された設定ファイルは、rt_dptbl(4) のマニュアルページで説明されている書式に合致していなければなりません。
config_rt_dptbl[] 内にある優先順位を設定されたプロセス rtdpent_t と、関連づけられているタイムカンタム値を次に示します。
rtdpent_t rt_dptbl[] = { 129, 60, /* 優先順位レベルのタイムカンタム */ 130, 40, 100, 100, 131, 40, 101, 100, 132, 40, 102, 100, 133, 40, 103, 100, 134, 40, 104, 100, 135, 40, 105, 100, 136, 40, 106, 100, 137, 40, 107, 100, 138, 40 108, 100, 139, 40, 109, 100, 140, 20, 110, 80, 141, 20, 111, 80, 142, 20, 112, 80, 143, 20, 113, 80, 144, 20, 114, 80, 145, 20, 115, 80, 146, 20, 116, 80, 147, 20, 117, 80, 148, 20, 118, 80, 149, 20, 119, 80, 150, 10, 120, 60, 151, 10, 121, 60, 152, 10, 122, 60, 153, 10, 123, 60, 154, 10, 124, 60, 155, 10, 125, 60, 156, 10, 126, 60, 157, 10, 126, 60, 158, 10, 127, 60, 159, 10, 128, 60, } |