マルチスレッドのプログラミング

<thread.h> または <pthread.h> の組み込み

インクルードファイル <thread.h> は、旧リリースの Solaris オペレーティング環境と上方互換性のあるコードをコンパイルするときに使用します (-lthread ライブラリとともに使用します)。このライブラリには両方のインタフェース、すなわち Solaris セマンティクスをもつインタフェースと POSIX セマンティクスをもつインタフェースが含まれています。POSIX スレッドで thr_setconcurrency(3T) を呼び出すためには、<thread.h> を組み込む必要があります。

インクルードファイル <pthread.h> は、POSIX 1003.1c 規格で定義されているマルチスレッドインタフェースに適合するコードをコンパイルするときに使用します (-lpthread ライブラリとともに使用します)。POSIX 完全準拠を実現するには、定義フラグ _POSIX_C_SOURCE を下記のように 199506 以上の値 (long) に設定する必要があります。


cc [flags] file... -D_POSIX_C_SOURCE=N (ただし、N は 199506L)

Solaris スレッドと POSIX スレッドを同じアプリケーションの中で混用できます。それには、<thread.h><pthread.h> の両方を組み込み、-lthread-lpthread のどちらかのライブラリとリンクします。

両者を混用した場合、コンパイルで -D_REENTRANT を指定し、リンクで -lthread を指定すると、Solaris セマンティクスが支配します。逆にコンパイルで -D_POSIX_C_SOURCE を指定し、リンクで -lpthread を指定すると、POSIX セマンティクスが支配します。