Solaris X Window System 開発ガイド

はじめに

このマニュアルでは、SolarisTM X サーバーについて詳しく説明します。サーバーアーキテクチャの概要や詳しい情報の記載場所についても説明しています。

また、Solaris X サーバーとのインタフェースに関与するソフトウェア開発者向けの詳細な情報も記載してあります。

対象読者

Solaris X 環境でプログラムを作成するにはツールキットの使用が不可欠であり、場合によってはサーバーやそのプロトコルとのインタフェースをとることも必要です。このプロトコルとツールキットについては他のマニュアルで解説されています (「関連マニュアル」を参照)。次の項目について詳細な情報が必要な方は、このマニュアルをお読みください。

前提条件

このマニュアルでは、読者はプログラミングの経験と知識があるか、あるいは以下の内容に関する適切なマニュアルを読まれていることを前提としています。

内容の紹介

このマニュアルは先頭から順に読んでも、必要な章だけ拾い読みしてもかまいません。概要を知るための、また参照のためのドキュメントのどちらにもご利用いただけます。

第 1 章「Solaris X サーバーの概要」では、Solaris X サーバーのアーキテクチャ、X と DPS の拡張機能、Sun が X コンソーシアムライブラリと拡張機能に対して行った強化、カラーに関する問題点、およびサーバー上で実行できるアプリケーションについて説明します。

第 2 章「DPS の機能と拡張」では、Solaris 特有の DPS 機能と、標準 DPS の拡張機能として提供されるオペレータの構成について説明します。

第 3 章「Solaris X サーバー上のビジュアル」では、Solaris 環境におけるビジュアルを説明し、ビジュアルによるウィンドウプログラミングのヒントを示します。

第 4 章「フォントのサポート」では、提供されるフォントセットと、フォントを管理する方法について説明します。

第 5 章「サーバーオーバーレイウィンドウ」では、透明オーバーレイウィンドウと比較しながら、サーバーオーバーレイについて説明します。

第 6 章「透明オーバーレイウィンドウ」では、透明オーバーレイウィンドウのための、アプリケーションプログラムインタフェース (API) を説明します。

第 7 章「セキュリティ」では、Solaris 環境のセキュリティ機能を説明します。

付録 A 「基準表示デバイス」では、Solaris 環境での基準デバイスとして提供されるグラフィックスデバイスを説明します。

関連マニュアル

Solaris 環境でアプリケーションを書くための詳しい情報については、次のマニュアルを参照してください。

X に関する次のマニュアルは、お近くの書店でお求めになれます。

PostScript と DPS に関する次のマニュアルは、お近くの書店でお求めになれます。

Sun のマニュアルの注文方法

専門書を扱うインターネットの書店 Fatbrain.com から、米国 Sun MicrosystemsTM, Inc. (以降、SunTM とします) のマニュアルをご注文いただけます。

マニュアルのリストと注文方法については、http://www1.fatbrain.com/documentation/sun の Sun Documentation Center をご覧ください。

Sun のオンラインマニュアル

http://docs.sun.com では、Sun が提供しているオンラインマニュアルを参照することができます。マニュアルのタイトルや特定の主題などをキーワードとして、検索をおこなうこともできます。

表記上の規則

このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。

表 P-1 表記上の規則

字体または記号 

意味 

例 

AaBbCc123

コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、コード例を示します。 

.login ファイルを編集します。

ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。

system%

AaBbCc123

ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力と区別して示します。 

system% su

password:

AaBbCc123

変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 

ファイルを削除するには、rm filename と入力します。

『 』 

参照する書名を示します。 

『コードマネージャ・ユーザーズガイド』を参照してください。 

「 」 

参照する章、節、ボタンやメニュー名、強調する単語を示します。 

第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 

この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 

¥ 

枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を超える場合に、継続を示します。 

sun% grep `^#define ¥
  XV_VERSION_STRING'

ただし AnswerBook2TM では、ユーザーが入力する文字と画面上のコンピュータ出力は区別して表示されません。

コード例は次のように表示されます。

[ ] は省略可能な項目を示します。上記の例は、filename は省略してもよいことを示しています。

| は区切り文字 (セパレータ) です。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定します。

キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: Shift キーを押します)。ただし、キーボードによっては Enter キーが Return キーの動作をします。

ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、Ctrl-DControl キーを押したまま D キーを押すことを意味します。

一般規則