Solaris X Window System 開発ガイド

デフォルトビジュアル

X11 スクリーンごとに、スクリーン用にエクスポートされるビジュアルのいずれかがデフォルトビジュアルとして指定されています。デフォルトビジュアルとは、スクリーンのルートウィンドウに割り当てられたビジュアルのことで、ほとんどのアプリケーションではこのビジュアルを使用してウィンドウを作成します。クライアントアプリケーションが起動すると、アプリケーションで別のビジュアルを指定しない限り、そのウィンドウにはデフォルトビジュアルが割り当てられます。

「組み込みデフォルトビジュアル」とは、Solaris X サーバー内でハードコード化されたビジュアルです。スクリーンごとに、そのスクリーンの表示デバイスの特性によって異なるデフォルトビジュアルがあります。openwin(1) の実行時に別のデフォルトビジュアルを指定しない限り、これがデフォルトビジュアルとなります。

ウィンドウサーバーが X11 接続ブロック内で返すデフォルトビジュアルを変更したいことがあります。デフォルトビジュアルでは実行できないクライアントプログラムを特定のビジュアルで実行させる場合などです。たとえば、TrueColor ビジュアルがデフォルトビジュアルとなっている 24 ビットデバイス上では、24 ビットカラーで実行できないアプリケーションを PseudoColor ビジュアルで実行させることができます。

複数デプスデバイスの開発担当者にとっては、デフォルトビジュアルを変更すると、アプリケーションの機能をさまざまな構成でテストできるので便利です。デフォルトビジュアルを変更する方法についての詳細は、xsun(1) のマニュアルページを参照してください。サーバーによってエクスポートされるデフォルトビジュアルとサポートされるビジュアルのリストは、XGetVisualInfo(3) を使用して X11 から検証できます。