共通デスクトップ環境のヘルプ・システムは、アプリケーション・ソフトウェアのオンライン・ヘルプを開発および表示するための完全なシステムです。これにより、設計者は豊富なグラフィックとテキスト・フォーマット、ハイパーリンクを備えたオンライン・ヘルプを書くことができ、アプリケーションからヘルプ・システムへアクセスできます。ヘルプ・システムはヘルプ機能をアプリケーションへ統合するためのプログラマのツールキットを提供します。
オンライン・ヘルプの作成とアプリケーションへの統合は、共同作業で行われます。ユーザのヘルプ要求にアプリケーションがどのように応答するかは、開発者が設計し実装します。設計者は、実際に表示されるヘルプ情報を構成し作成します。
ヘルプ・システムには次のものが含まれます。
共通デスクトップ環境のヘルプタグ・マークアップ言語
共通デスクトップ環境のヘルプタグ・ソフトウェア
ヘルプタグ・ファイルを実行時のヘルプ・ファイルに変換するためのソフトウェア・ツール・セット
共通デスクトップ環境のヘルプビュー・アプリケーション
オンライン・ヘルプを表示するためのビューア・プログラム
設計者はヘルプ・タグ・セットを使用し、Structured Graphic Markup Language (SGML) タグ規則に従ってヘルプ・トピックを作成します。SGML マークアップは一次データ・フォーマットです。コンパイルされた実行時のフォーマットは SGML に準拠します。
ヘルプ・システムは、UNIX マニュアル・ページ、テキスト・ファイル、テキスト文字列などの SGML でないフォーマットもサポートします。
DtHelp プログラミング・ライブラリ
ヘルプ・ウィンドウを作成してアプリケーションと統合するための アプリケーション・プログラム・インタフェース (API)
DtHelp ウィジェット
ヘルプ・ダイアログ・ボックスと簡易ヘルプ・ダイアログ・ボックス (いずれもヘルプ・ライブラリの一部) を作成するための DtHelpDialog および DtHelpQuickDialog ウィジェット
ヘルプ・ライブラリ libDtHelp は、Motif に基づくヘルプ・ダイアログの作成と管理をサポートします。libDtHelp ヘッダ・ファイルは次のとおりです。
Dt/Help.h
Dt/HelpDialog.h
Dt/HelpQuickD.h
/usr/dt/examples/dthelp にヘルプ・システム・デモがあります。デモの詳細は、 README ファイルを参照してください。
ヘルプ・システムの詳細は、関連するマニュアル・ページと『プログラマーズ・ガイド (ヘルプ・システム編)』を参照してください。