この節では、アプリケーションのユーザ・インタフェースを設計するときのガイドラインを示します。
アプリケーションのユーザ・インタフェースを設計するときは、共通デスクトップ環境が Motif およびデスクトップ・ウィジェットに提供するデフォルトのカラー・スキーマを無効にするようなカラーを設定しないでください。アプリケーション定義のカラーについては、次のカラーを使用して他のデスクトップ・アプリケーションとの共用を促進してください。
黒
白
赤
緑
青
黄
シアン
マゼンタ
グレー (濃淡は #e1、#c8、#af、#96、#7d、#64、#4b、#32 の 8 段階)
普通はカラーを指定する必要がなく、デスクトップのスタイル・マネージャでエンド・ユーザが選択したカラーを使用します。
Motif ウィジェットでは、共通デスクトップ環境が提供するフォントを使用し、アプリケーションのウィンドウが他のデスクトップ・クライアントのウィンドウと同じようになるように、またユーザがスタイル・マネージャを使用してこれらのフォントのサイズを変更できるようにしてください。提供されたフォントを、Motif fontList リソース仕様を変更して無効にする場合は、ユーザがアプリケーションでフォントをカスタマイズできるようにさせたければ、その機能を追加しなければなりません。
共通デスクトップ環境標準アプリケーション・フォント名にあるフォントを使用して、(Motif がウィジェット用に使用しているのとは別の) アプリケーションで使用する、app-defaults ファイルのリソースを指定してください。これは、アプリケーションがすべての共通デスクトップ環境プラットフォームで適切なフォントを見つけ、プラットフォーム上への移植性が高まることを保証します。詳細は、「標準フォント名」を参照してください。
スタイル・マネージャは、Motif バージョン 1.2 以降を使用して書かれたアプリケーションのフォントしか管理しません。Motif 1.1 (以前) のアプリケーションにはフォントは正しく提供されません。これらのアプリケーションには app-defaults ファイルで独自のフォントを指定してください。
この節では、ソフトウェア・アプリケーションを障害者が使用できるようにするためのガイドラインを示します。
通常はメニューやドラッグ&ドロップなどで操作するアプリケーションの全機能を、キーボードで操作できるようにし、身体的に障害のある人々が容易にアプリケーションを使用できるようにしてください。
視覚障害を持つ人がアプリケーションによりアクセスしやすくするために、次のガイドラインに従ってください。
アプリケーションのカラーをハードコードしないでください。
線、ボーダ、シャドウの厚みなどグラフィック属性をハードコードしないでください。これらの属性はフォント・サイズによって大きさが調整されます。
フォント・サイズおよびスタイルをハードコードしないでください。
すべてのウィジェットに記述名を付けてください。特に、パレット項目やアイコンなど画面のラベルに表示されないウィジェットについては、アプリケーション・コードで記述名を入れてください。これによって画面読み込みソフトウェアが記述情報を目の不自由なユーザにも提供できます。
聴覚障害を持つ人がアプリケーションによりアクセスしやすくするために、次のガイドラインに従ってください。
すべてのエンド・ユーザは音による通知が聞こえると想定しないでください。
適宜、エンド・ユーザが情報を得る方法を耳による合図と目による合図と選択できるようにしてください。
情報の取得方法を、聴覚によるものだけに依存しないようにしてください。
聴覚による情報取得を行う場合の周波数とボリュームを、エンド・ユーザが調整できるようにしてください。
視覚、聴覚、身体的な障害に関するガイドラインは、言語、知覚、その他に障害のあるエンド・ユーザにとって役立つものです。可能な限りティアオフ・メニューやユーザ構成のメニューなどの重要なアプリケーションの機能を取り込んでください。
エンド・ユーザにとってのアプリケーション間の一貫性を保つために、アプリケーションまたは app-defaults ファイルにダブルクリックの間隔をハードコードしないで下さい。ユーザがスタイル・マネージャでダブルクリック時間を変更すると、アプリケーションは他のデスクトップ・アプリケーションと同様にその変更に従います。
/usr/dt/examples/template にある描画プログラムのデモは、共通デスクトップ環境のデフォルトのカラーとフォントを使用します。このため、ユーザはスタイル・マネージャを使用し、このプログラムのカラーとフォントをカスタマイズできます。詳細は README ファイルを参照してください。
カスタマイズの問題の詳細は、『共通デスクトップ環境 スタイル・ガイド』を参照してください。