共通デスクトップ環境の型は、デスクトップ・オブジェクトのクラスと見なすことができます。この類似性により、アクションをクラスのインスタンスで使用できる方法と見なすことができます。したがって、型属性リストのアクション属性は、型に使用できるオペレーションを記述しています。アクションおよびデータ型のデータベースにある 1 つのアクションは複数の部分から構成されていますが、その多くはオプションです。次のような部分があります。
オペレーション起動方法の記述。ToolTalk による方法、SPC 機能へ渡す実行文字列による方法、端末エミュレータから行う方法などがあります。
アクションに関連する引数の型についての記述。受け入れられるデスクトップ・オブジェクト (ファイルおよびバッファ) の型は、アクションおよびデータ型のデータベースで定義されます。アクションはデータ型によってさまざまです。たとえば [開く] アクションはテキスト・ファイルが引数の場合はテキスト・エディタを、グラフィック・ファイルが引数の場合はグラフィック・エディタを起動します。
アクションに関連する引数があれば、引数の数の記述
オペレーションを実行する場所のオプション指定。ローカル・マシン、特定のリモート・マシン、実行可能ファイルのあるマシンなどです。さらに、これらの場所はリストされるので、ホストが使用できない場合、リストにある次のホストで実行されます。これにより、リモート・ホストが使用不可能になった場合でも、アプリケーションを起動できる可能性を高められるような冗長性が提供されます。したがって、組み込み ToolTalk 機能または SPC 機能を直接使用することによって、アクションはネットワーク分散ガイダンスを提供できます。
アクションの GUI と対話するときにユーザが見るオプションのラベル、ヘルプ文字列、アイコン。アプリケーションがアクションをユーザに示すときのヒントとして役立ちます。フロントパネル構成ファイルが代替アイコンを提供する場合は、フロントパネルがこのアイコンを無視し、これらのヒントを無視します。
ユーザが使用できるアクションの集まりは、システムが型データベース情報を集めるのと同時に組み立てられます。実際、関連するアクションと型情報は、通常は同じファイルに同時に存在します。デスクトップ定義ファイル、システム管理者定義 (ホスト固有) ファイル、ユーザ定義ファイルはこの順序で単一の (アクションおよびデータ型) データベースに組み込まれ、後の定義が優先されます。この検索パス優先順位と検索の順序は、ヘルプ・ボリュームおよびアイコン・ファイル検索用などデスクトップで一般的に使用されます。
アクションおよびデータ型のデータベースとファイル・マネージャは、アクション・ファイルを使用して、表示、起動、移動、コピーなどを行えるファイル・システム・オブジェクトとしてアクションをインスタンス化します。データベースにはアクションの実装に対するリファレンスが含まれます (「net_app_svr 上の /usr/bin/app を実行する」など)。ただし、ユーザが直接処理できるオブジェクトとしてアクションを表示することが必要です。これはオブジェクト名を使用して実行されます。オブジェクト名は、アクションを検索する任意のオブジェクト・マネージャに対するアクションとして識別されます。したがって、Dtstyle という実行可能ファイルと Dtstyle というアクションがある場合、ファイル・マネージャはそのファイルを内容に関わらず Dtstyle アクションが参照するものとして解釈します。また、ファイル・マネージャはアクションのラベルを、ユーザがファイルを見るための名前として使用します。アクション・ラベルはローカライズできますが、アクション名はローカライズできないプログラムのエンティティです。
アクションおよびデータ型のデータベースへのポインタとしてファイルを使用する場合の利点は、ユーザが何もしなくても基本の実装を展開できることです。しかし、あるユーザのアクションおよびデータ型のデータベースが、他のユーザのアクションとデータ型に一致しないこともあります。したがって、ユーザはアクションのリファレンスを、たとえばメール・メッセージのアタッチメントなどとして交換したり、そのアクションに対して比較できる定義を持つユーザが他にいるかどうかを予期することができません。この問題を解決するには、デスクトップ Korn シェル・スクリプトを交換するのが最善の方法です。
アクションは継承したコマンド行アプリケーションと ToolTalk アプリケーションを、デスクトップ・オブジェクト上の多様な分散オペレーションとしてデスクトップに統合するので便利です。