この章では、次の事項について説明します。
ATOK8 の起動と終了
通常は、ウィンドウシステム起動時に ATOK8 が自動的に起動するように設定するため、直接 ATOK8 を起動・終了する必要はありません。ただし、次の目的のため、直接起動・終了することもできます。
複数の入力サーバーを起動する
異なるオプションを指定して起動する
ATOK8 だけを再起動する
この項では手動で ATOK8 を起動・終了する方法について説明します。
この章で説明する設定や操作は、すべて一般ユーザーで作業してください。
使用環境を ATOK8 に設定しておけば、ウィンドウシステムを起動するたびに ATOK8 が自動的に起動されます。したがって、通常は手動で ATOK8 を起動・終了する必要はありません。
sun% /usr/openwin/bin/atok8 & |
ワークスペース上に ATOK8 メインウィンドウまたはアイコンが表示されます。これ以降に起動されたアプリケーション上では、ATOK8 を用いた日本語の入力および変換が可能になります。
atok8 コマンド実行時に以下のオプションを追加して ATOK8 の動作を変えることができます。ATOK8 メインウィンドウの色・フォント・位置の指定や ATOK8 をネットワーク経由で使用する指定などが設定ができます。詳しくは、次の表 11-1 を参照してください。
表 11-1 atok8 コマンドの起動オプション
オプション |
内容 |
---|---|
-display display_name |
ATOK8 が動作するディスプレイを指定します。デフォルトはシステムによって異なります。ディスプレイ名の詳細については、X11(7) のマニュアルページを参照してください。 |
-fg color-foreground color |
ATOK8 メインウィンドウの表示色を指定します。デフォルトはシステムによって異なります。色の詳細については、X11(7) のマニュアルページを参照してください。 |
-bg color-background color |
ATOK8 メインウィンドウの背景色を指定します。デフォルトはシステムによって異なります。色の詳細については、X11(7) のマニュアルページを参照してください。 |
-fn fontlist-font fontlist |
ATOK8 メインウィンドウで使用されるフォントを指定します。デフォルトは -sun-gothic-medium-r-normal--16-140-75-75-c-70-jisx0201.1976-0;¥ -sun-gothic-medium-r-normal--16-140-75-75-c-140-jisx0208.1983-0;¥ -*-gothic-medium-r-normal--*-140-*-*-*-*-*-*: です。 |
-imsfn fontlist -imsfont fontlist |
各クライアント用に前編集領域で描画する文字列のフォントを指定します。デフォルトは -sun-gothic-medium-r-normal--16-140-75-75-c-70-jisx0201.1976-0;-sun-gothic-medium-r-normal--16-140-75-75-c-140-jisx0208.1983-0;-*-gothic-medium-r-normal--*-140-*-*-*-*-*-*: です。フォントの詳細については、Motif の XmFontList(3X) のマニュアルページを参照してください。 クライアントから ATOK8 に対して前編集領域に描画する文字列のフォントが指定された場合は、その指定がこのコマンド行オプションでの指定より優先されます。 |
-geometry +--xoffset+--yoffset |
ATOK8 メインウィンドウの位置を指定します。デフォルトはシステムによって異なります。サイズ情報の指定は無効です。位置の詳細については、X11(7) のマニュアルページを参照してください。 |
-iconic |
ATOK8 をアイコン状態で起動します。デフォルトは、オープン状態です。 |
-colormode mode |
mode として次の 3 つの値のうち、1 つを指定します。 ・mono 文字列をモノクロモードで描画します。このモードではユーザーの表示色カスタマイズは無効になります。 ・color 文字列をカラーモードで描画します。このモードでは、ユーザーの表示色カスタマイズが有効になります。ビジュアルクラスが GrayScale や StaticGray であっても表示色カスタマイズの結果に基づき描画しようとします。これらのビジュアルクラスの場合、描画色は X サーバによりグレイスケールまたは 2 値画像に変換され、表示されます。 ・auto (デフォルト) ATOK8 は自動的にビジュアルクラスを判定します。ビジュアルクラスが GrayScale または StaticGray の場合、あるいは深さが 3 未満の場合、ATOK8 は入力コンテクストをモノクロモードで描画します。それ以外の場合、カラーモードで描画します。 |
-no_wm_command |
このオプションを指定すると、ATOK8 はウィンドウマネージャの WM_SAVE_YOURSELF プロトコルに応答しません。デフォルトは指定なしです。 注 - このオプションは将来のリリースで廃止または変更される可能性があります。 |
-xnllanguage locale |
ATOK8 が動作するロケールを指定します。"ja" または同等のロケールのみ指定可能です。指定しない場合、環境変数で定義されているロケールが使われます。 |
以下の値は atok8 コマンドの起動オプション以外にリソースでも設定できます。
表 11-2 リソース値一覧
オプション |
リソース名 |
リソースクラス |
---|---|---|
-fg |
foreground |
Foreground |
-bg |
background |
Background |
-fn |
fontList |
FontList |
-imsfn |
imsFontList |
ImsFontList |
-iconic |
initialState |
InitialState |
-colormode |
colorMode |
ColorMode |
-no_wm_command |
noWmCommand |
NoWmCommand |
-xnllanguage |
xnlLanguage |
XnlLanguage |
ATOK8 を終了するには、次の 2 通りがあります。
ATOK8 メインウィンドウから終了する
コマンドプロンプトから終了する
ATOK8 メインウィンドウのメニューから終了します (アイコンの場合は、マウスをダブルクリックしてオープンしてください)。
ATOK8 メインウィンドウのメニューから、「アクション (A)」を選択します。
プルダウンメニューが表示されます。
「終了」を選択します。
ATOK の使用状況によって終了方法が変わります。
どのウィンドウも ATOK8 を使用していない (ATOK8 と接続していない) 場合には、何も表示されずにそのまま ATOK8 が終了します。
ATOK8 を使用している場合は、次のメッセージウィンドウが表示されます。
「はい」をクリックすると ATOK8 が終了します。
環境設定ツールや辞書メンテナンスツールが起動されている場合は、次のメッセージウィンドウが表示されます。
「はい」をクリックすると ATOK8 が終了します。
ATOK8 には 3 つのプロセスがあります。その中の親プロセスに SIGTERM(15) を送ると、ATOK8 が正常終了します。